2021 Fiscal Year Research-status Report
高コレステロール血症治療薬スタチンは筋肥大を抑制するか?
Project/Area Number |
19K11527
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
川田 茂雄 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (20376601)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スタチン / メバロン酸経路 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
血中の低比重リポタンパク質(LDL)を低下させる目的でスタチンが使われている。スタチンはコレステロール合成経路を阻害する作用があるのと同時に、細胞の生存に関与する経路であるメバロン酸経路も阻害する。したがって、ある閾値を超えた投与量の場合には細胞毒性を示す。スタチンには水溶性と脂溶性のものがあるが、医療機関では両方のスタチンが処方されている。本研究では代表的な水溶性と脂溶性のスタチンを用いて、マウス筋芽細胞由来の細胞株(C2C12細胞)において高容量のスタチン添加により細胞毒性が生じることを確認している。また、添加量を段階的に検討することで細胞毒性が生じる濃度の閾値も確認している。 血中LDL濃度が高い者に対してはスタチン投与と同時に、運動を行うことが推奨されている。日常生活においてスタチン投与時に筋細胞への細胞毒性(横紋筋融解症)が生じない程度の投与量であっても、筋細胞がスタチンへの曝露と並行して比較的強度の高い筋活動を負荷された際に、筋障害が生じるかどうかは不明である。本研究では、C2C12細胞を用いて細胞毒性が生じない範囲でのスタチン曝露が細胞機能へ与える影響を検討している。正常なC2C12細胞では培養時に培養プレートに主にアクチンタンパク質で形成されるC2C12細胞特有の足場(葉状仮足)を介して接着する。しかしながら、細胞毒性が生じるスタチン濃度での培養ではアクチンタンパク質は発現するものの十分な葉状仮足が形成されず、アポトーシスやネクローシスを起こしている細胞が増加する。一方、細胞毒性を生じない範囲のスタチン濃度では、十分な葉状仮足が形成されていることが確認された。このことは、明らかな細胞毒性が生じない範囲であればスタチンに曝露された細胞は少なくとも形態学的には正常細胞と変わらないことを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は細胞培養環境を可能な限りin vivoに近づけるために細胞に伸展刺激を負荷した状態での研究を計画していたが、他の研究の論文投稿の際に査読者から要求された追加実験が想定以上に多く、その実験に時間がかかってしまったため本研究の進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度実施できなかった、スタチン投与時に細胞への伸展刺激を加えた際の形態学的、生化学的影響を検討する。 また、in vitroでの知見を動物実験も行うことによりin vivoでも確認する予定である。 予定しているデータを取得次第、論文作成に着手する。
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Causes of Carryover |
購入予定の消耗品をキャンペーン価格で購入できたため次年度使用額が生じた。本年度は動物実験を行う予定のため、飼料代等の動物飼育に要する物品購入に充てる。
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Research Products
(2 results)