2021 Fiscal Year Research-status Report
The Social Impact of Sporting Events and Developing Event Leverage Strategies
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19K11528
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
押見 大地 東海大学, 体育学部, 講師 (40711205)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メガスポーツイベント / 社会効果 / 開催地域 / イベントレバレッジ戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、東京2020オリンピックが開催地域住民にもたらした社会的インパクトの評価を行うことを目的として、開催地域住民を対象にインターネット調査を行った。調査はイベント前後の計2回実施され、1回目の調査が2021年6月(n=1,200)に、2回目が2週間後(n=938)に行われた。主な質問項目として、イベント主催者(日本政府・東京都)に対する信頼(Trust; Gursoy et al., 2017)、COVID-19に対するリスク認知(Risk perception; Bae & Chang, 2021)、イベントにおける社会効果の経験(Taks et al., 2020; Kim et al., 2015; Oshimi et al., 2016)、およびイベント支持意図(Prayag et al., 2013)を用いた。信頼及びリスク認知はイベント前に測定し、社会効果の経験及びイベント支持意図はイベント後に測定した。構造方程式モデリングを用いた分析の結果、イベント主催者への信頼感は正の社会効果の経験とポジティブな関係性が認められ、リスク認知と負の社会効果の経験にネガティブな関係性が見られた。また、リスク認知は負の社会効果の経験を強める関係性も見られた。最後に、正の社会効果の経験はイベントへの支持にポジティブな関係性が、負の社会効果の経験はネガティブな関係が見られた。すなわち、イベント主催者への信頼の役割は重要であり、イベント主催者への信頼が高まると正の社会効果の経験を高める一方、負の社会効果の経験とリスク認知を軽減させることがわかった。また、リスク認知は負の社会効果の経験を強める関係性が確認されたことから、感染症へのリスク認知を低減させることが社会効果の経験を通じてイベントへの支持に正の影響をもたらす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた東京2020オリンピックにおいてイベント前後の調査を行えたことで、調査は概ね順調に推移しているといえる。また、イベントレバレッジに関する調査においても、1つの自治体へのインタビュー調査を既に行えており、概ね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は研究計画の最終年度となる。本研究では、ラグビーW杯2019及び東京2020オリンピックを調査対象としており、双方のイベント後の評価に関する調査を実施する予定である。また、調査結果を踏まえた質的調査の追加分析についての可能性も検討していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額として、1,049,063円が計上されている。前年度未使用額449,063円及び支払請求額600,000円の総計となるが、最終年度でのインターネット調査及びインタビュー調査ですべて支払う予定である。
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