2020 Fiscal Year Research-status Report
レジスタンス運動前後の遺伝子プロファイルからトレーニング効果を予測する
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19K11531
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
菊池 直樹 日本体育大学, 体育学部, 准教授 (10739478)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トレーニング効果 / 遺伝子多型 / 筋力 / アスリート / パフォーマンス / ALDH2 / MCT1 / CNTFR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では筋力トレーニングの効果の個人差についての遺伝特性を明らかにすることを目的としている。2020年度は、中高齢者の筋力およびスポーツパフォーマンスへの遺伝子多型による影響について検討した。その結果、CNTFR遺伝子、MCT1遺伝子,ALDH2遺伝子、ACTN3遺伝子の多型がアスリートのパフォーマンスや一般成人の筋力および柔軟性との関連があることを報告した。本研究課題では、アスリート1700名、一般成人1300名を対象としている。一連の研究報告の中でも、ALDH2遺伝子rs671多型は、飲酒高度との関連性や癌や骨粗鬆症などとの関連性が報告されているが、筋機能やアスリートの競技実績に関連するか否かは検討されていなかった。申請者は、アルコール代謝に不利な遺伝子多型は、アスリートにおいて頻度が低く、一般成人においては筋力が低いことを報告した。今後リプリケーション研究が必要であるが、ALDH2遺伝子多型が骨格筋の機能に影響する可能性を示唆した先行研究において、ALDH2は骨格筋に発言しており、ミトコンドリア機能に影響していることが報告されており、今回の報告は非常に有意義な報告になったと考えられる。そのほかの遺伝子多型に関する報告についても国際誌に投稿、受理されている。現在は、一般成人を対象として、トレーニング介入を行い、トレーニング前後の筋肥大(筋横断面積)や筋力向上などの遺伝的要因を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は、コロナウィルス感染拡大の影響で、筋生検を伴う実験計画はほぼできておらず、トレーニング介入も難しい状況であった。その為、筋力トレーニングについては、オンラインでのホームエクササイズを介入し、トレーニング効果を検討する研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
筋力トレーニング前後での筋バイオプシーを用いた研究を計画していたが、コロナウィルス感染拡大の影響で実施困難になった。そのため、トレーニング効果を規定する遺伝要因について、網羅的なゲノムワイド関連解析を用いた検討に切り替えて行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染症の拡大による研究計画が変更となったため。2021年度において、計画の変更により必要となった遺伝子多型の網羅解析にかかる経費に当てる予定である。
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Research Products
(11 results)