2021 Fiscal Year Research-status Report
Effects of warm-up routines on muscle-tendon flexibilities in cold exposures
Project/Area Number |
19K11542
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
寒川 美奈 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (40360953)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 寒冷環境 / ウォームアップ / ストレッチング / 筋腱伸張性 / プロトコル |
Outline of Annual Research Achievements |
寒冷環境では,最大酸素摂取量や皮膚温,血流などの呼吸循環系,神経系,筋力や筋収縮速度など機能面の低下が生じる。一方,筋腱伸張性に関しては,これまで温熱刺激による増大効果は示されているものの,寒冷刺激による効果は統一した見解が得られていない。また,ウォームアップは,柔軟性の改善や傷害・疾病の予防,運動能力向上を目的として運動前によく行われているが,関連する研究の殆どは常温環境での報告であったことから,寒冷環境における効果の差異に関してはあまり検討されていない。そこで本研究では,寒冷環境における筋腱伸張性に着目し,効果的なウォームアップ方法の確立を目指す。今年度は,ウォームアップのうち筋腱伸張性の改善に有効なスタティックストレッチングのプロトコル検証をまず行った上で,常温環境(25度)および寒冷環境(10度)における足関節底屈筋へのスタティックストレッチングを30秒4セット行い,最大足関節背屈角度と足関節底屈筋受動抵抗トルクから筋腱伸張性の変化を調べた。また,生理学的変化の指標として皮膚温や筋温,血流動態を測定した。結果として,皮膚温と筋温に関しては,常温環境と比べて寒冷環境において有意な低下がみられた。一方,寒冷環境におけるスタティックストレッチングは,筋腱伸張性への即時的な効果に常温環境と違いはみられなかった。今年度に得られた研究成果は,次年度に開催の国際学会での報告および国際誌へ投稿予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初成果発表を予定していた国際学会は新型コロナ感染症拡大に伴い1年延期となったが、演題は既に採択されており、今年度に国際学会で発表予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究では,寒冷環境下における筋腱伸張性を向上させるウォームアップとしてスタティックストレッチングを実施したところ,寒冷環境においても常温環境と同様の効果を示すことができた。この結果は即時的効果として,寒冷環境におけるウォームアップや健康増進に有効な知見であると考えられた。今後は,経時的な有効性の検証や,運動パフォーマンスへの影響とともに多面的な検証を行なっていきたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
成果の発表を予定していた国際学会が新型コロナ感染症拡大の影響で次年度へ延期となった。そのため、次年度使用額が生じた。演題は既に採択され、次年度の国際学会で発表の際に使用する予定である。
|
Research Products
(8 results)