2019 Fiscal Year Research-status Report
青少年スポーツ指導者を対象としたアンガーマネジメントプログラムの開発
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19K11561
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
渋倉 崇行 桐蔭横浜大学, スポーツ科学研究科, 教授 (30288253)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アンガーマネジメント / 青少年 / 指導者 / ハラスメント / 介入プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,①指導者の怒り感情と暴力行為に関わる実態把握,②指導者の暴力行為の発生と予防に関わる理論的枠組みの検討および測定尺度の作成,③指導者の暴力行為の発生機序と予防因子の検討,④指導者の暴力行為の発生を防ぐアンガーマネジメントプログラムの開発とその評価であった.2019年度は,指導者の怒り感情と暴力行為に関わる実態把握として,これまでに発生した暴力行為を理解するとともに,怒り感情の表出過程や予防因子の検討を試みた.文献調査では,最近20年間に青少年スポーツ指導の現場で起きた指導者による暴力事案を概観した.調査内容は発生時期,県名,種目名,出来事,指導者の行為,暴力事案の結果(選手側,及び指導者側)等であった.これらの調査結果を現在は整理中である.また,面接調査では,イングランドフットボール協会のDr. Andy Caleに英国の虐待やハラスメントの実態について情報提供を頂くとともに,アンガーマネジメントを含むコーチ向けの教育プログラムの必要性ついて意見交換した.さらに,観察調査では,イングランドフットボール協会のコーチ向けプログラム「The FA Safeguarding Children Workshop」に参加した.そこでは以下の内容が取り上げられた.①Build on best practice,② Recognise signs and identify what behaviour causes concern,③Identify the actions to take and who can help,④Develop your action plan for change.これらの実態把握調査により次年度以降の研究を進めて行くうえで貴重な資料が収集された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定された計画に沿って概ね研究が進められている.2019年度の最大の目標は,実態把握調査を行い,これまでに発生した暴力行為を理解するとともに,怒り感情の表出過程や予防因子を検討することであった.暴力行為の理解は概ね達成でき,その発生に怒り感情が関係しているケースがあることも予想された.ただし,怒り感情の発生の予防因子を明らかにしていくためには追加の調査が必要であった.これは2020年度調査の中で実施される.
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Strategy for Future Research Activity |
指導者の暴力行為の発生と予防に関わる理論的枠組みの検討および測定尺度の作成を行う.質問紙調査を行い,指導者の暴力行為の発生と予防に関わる諸要因間の関連性を検討する.また,指導者の怒り感情,暴力行為,予防因子に関わる測定尺度を作成する.調査対象は指導者1,000名程度(小・中・高校年代の地域クラブや部活動)である.調査内容は指導者の暴力行為の発生と予防に関する内容である.
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Causes of Carryover |
質問紙調査のための統計解析ソフト購入,データ入力,集計のための人件費・謝金,等の支出が不要となり,行われなかった.2020年度は質問紙調査が行われるので,その際に統計解析ソフト購入,人件費・謝金として使用する予定である.
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