2020 Fiscal Year Research-status Report
知的障害者のサルコペニア予防に向けた筋機能の個人差の解明と介入プログラムの開発
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19K11562
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
岩沼 聡一朗 帝京科学大学, 教育人間科学部, 講師 (70634369)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 知的障害 / アダプテッド・スポーツ / 筋機能 / 筋内脂肪 / 介護予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、知的障害者のサルコペニア予防に向けて、①成人知的障害者の筋機能の個人差の要因を明らかにすること、②その結果に基づいて、成人知的障害者向けに、福祉現場でも応用可能な介入プログラムを開発することを目的としている。初年度-第2年度は、[研究①] 成人知的障害者の筋機能の個人差の要因の解明に取り組む計画であり、現在も引き続き進行中である。 当初の計画では、知的障害のある成人の測定、および知的障害のない成人の測定を実施し、大人数のデータ取得を目指す予定であった。しかし、第2年度は、日本国内において新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大が拡がりを見せ、収束のタイミングを見計らっていたが、結果として測定実施が困難であった。特に、知的障害のある方の場合、重症化のリスクが高い集団として挙げられていることに加え、生活環境の都合上、クラスターが各地で発生したこともあり、研究遂行上の難しさがあった。 第2年度では、研究①で用いる、超音波法を用いた筋内の非収縮組織の割合(筋輝度)の評価について、測定精度を上げるために、知的障害のない成人を対象に取り組んだ。また、研究①の遂行がままならない状況下にあったことから、[研究②] 福祉現場でも応用可能な介入プログラムの開発に取り組むべく、文献調査および介入プログラムの検討を行った。また、当初は対面型での介入を想定していたが、急速に普及したオンライン型での介入についても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
第2年度では、知的障害のある成人(20~50代)の測定・調査、および知的障害のない成人(同年代)の測定・調査(研究①)を実施し、大人数のデータ取得を目指す予定であった。しかし、日本国内において新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大が拡がりを見せ、収束のタイミングを見計らっていたが、結果として知的障害のある成人の測定、および知的障害のない成人の測定の実施が困難であった。対面による測定・調査が困難な状況であったことから、インターネットを使った先行研究の調査および整理といった文献調査を進めた。また、研究①の遂行がままならない状況下にあったことから、[研究②] 福祉現場でも応用可能な介入プログラムの開発に取り組むべく、文献調査および介入プログラムの検討を行った。また、当初は対面型での介入を想定していたが、急速に普及したオンライン型での介入についても検討を行った。パイロット的に、オンデマンド教材を作成したり、リアルタイム配信での試行を行った。 緊急事態宣言が繰り返し発出されたことに加えて、知的障害のある方の場合、重症化のリスクが高い集団として挙げられていることや、生活環境の都合上、クラスターが各地で発生したこともあり、研究遂行上の難しさがあった。本研究課題の全体的な進捗としては、約1年分に近い遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
第3年度は、第2年度に取得することができなかったデータを取得することを優先的に進める予定である。しかし、知的障害のある人は、糖尿病や高血圧、心疾患を罹患している者の割合が高いことから、COVID-19に感染した場合に重症化する危険性がある。そのため、測定再開においては、慎重に準備を進める必要がある。国内におけるCOVID-19の早期収束を待つだけでなく、本測定・調査における感染防止策を検討することが最優先課題である。感染防止策を講じた上で、まずは基礎疾患がない知的障害のない成人の測定・調査から再開したいと考えている。所属機関では学外者の入構制限が続いており、測定・調査の再開時期の見通しが立たない状況であることから、民間施設の利用を検討し、再開に向けた準備を進めている。本研究課題の全体的な進捗としては約1年分に近い遅れが生じているため、研究期間は3か年の計画であったが、1年延長することを前提に研究をすすめている。 また、第3年度は、自重負荷運動の要素を含む介入プログラムの開発[研究②]を予定している。福祉現場でも応用可能な介入プログラムの開発に取り組むべく、成人知的障害者における身体活動の状況および趣向の把握については、非対面での方法としてオンラインサービスを活用し、調査を行う計画である。また、介入プログラムは、当初、対面型での実施を想定していたが、感染リスクが低い、オンライン型での実施(オンデマンド教材の作成、リアルタイム配信の実施)についても継続的に検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大に伴って測定を中断したため、そこで使用する予定であった人件費・謝金が支出できなかったためである。今後の研究の推進方策でも記したとおり、国内でのCOVID-19の収束状況を見極めながら、感染防止策を立てて測定を再開する計画であり、それに応じて人件費・謝金については支出する予定である。
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Research Products
(1 results)