2021 Fiscal Year Research-status Report
大規模データを用いたアスリートの加速能力の分析と競技パフォーマンスとの関連調査
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19K11563
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
瀧 剛志 中京大学, 工学部, 教授 (40319223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 洋平 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (20574205)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 加速度パターンの左右差 / ポジション間の比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、試合中の膨大なトラッキングデータから平面上を移動するアスリートの加速能力を詳細に記述し、それを定量化・モデル化すること、そして、その結果から「競技種目」、「競技レベル」、「ポジション(役割)」、「試合の局面」などの違いと加速能力の関係を明らかにすることを目的としている。 長らくコロナ禍の影響で本研究の基礎データとなるトラッキングデータの取得が滞っていたが、昨年9月に共同研究者の所属施設において追加のデータ計測を実施した。その際、トラッキングデータのみでなく新たに選手視点での360度映像を同時に撮影することで、これまでの俯瞰的な映像では得ることのできなかった、選手のステップ情報が比較的高解像度で得られることを確認した。関連して、選手の胸部に装着した360度カメラの映像から自動的にその選手のステップワークを記録する方法を提案し、その成果の一部を日本フットボール学会で口頭発表した。これはステップ動作がその選手の加速能力にどう影響するかを検証する上で貴重なデータとなりえる。 これとは別に既存のデータ(プロサッカー選手の試合中のトラッキングデータ)を対象にポジション別での加速能力の違いを、申請者らが提案した加速度パターンを用いて比較した。試合中、主に右サイドでプレーする選手と左サイドでプレーする選手では、左右の加速度強度に差が生じるとも考えたが、試合を通してみると特に顕著な違いや特徴は得られなかった。現在は攻撃時と守備時の違いといった試合の曲面の違いを対象として分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響が続き、昨年中旬頃までは多くの人を集めて実験データを取得する機会が得られず、種々のデータに対する提案手法の精度・性能評価に一部遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年、追加取得したデータの処理ならびに新規データの取得については継続的に実施する予定である。また、本研究の申請時には競技種目による加速度パターンの違いや特徴を調査することを挙げていたが現時点までには実施できていない。現状はサッカー競技のみを対象としているが、競技特性の異なるバスケットボールについてトラッキングデータの取得ならびに分析を実施したい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、データ取集や打ち合わせのための旅費が予定通りに執行できなかった。そのため、研究機関を延長し、残りの期間で追加のデータ収集、追実験を実施し研究成果を取りまとめ、国内学会での発表や論文の投稿を進める予定である。
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