2021 Fiscal Year Research-status Report
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会がスポーツ産業の構造に与える影響
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19K11564
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
庄子 博人 同志社大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (10613929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 啓 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (60520971)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スポーツGDP / スポーツ産業 / スポーツサテライトアカウント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、欧州で開発されたスポーツサテライトアカウントを日本に導入し、東京2020オリンピック・パラリンピックによるスポーツ経済の規模と構造がどのように影響を受けるのかを計測することである。 3年目の2021年は、初年度と2年目に引き続き、日本版スポーツサテライトアカウントを基盤としてSSA2021(スポーツサテライトアカウント2021)を構築し、2011-2019年度を対象としたスポーツ産業経済規模の推計を実施した。 その結果、スポーツGDPは、2011年-2019年の9年間で約7.2兆円から約9.2兆円にプラス成長していた。GDP比でみると、2011年-2019年で1.44%から1.64%にプラス成長し、産業全体に占めるスポーツ産業の割合が大きくなっていることが明らかとなった。 また、産業分類別にみると、わが国のスポーツGDPは、スポーツ活動、商業・輸送、教育で全体の7割近くを占め、成長率の高い分野は、「スポーツ活動」「商業・輸送」「情報通信」「建設」「健康」「その他個人サービス」であった。「スポーツ活動」はスポーツそのものの部門であり、スポーツ興行やスポーツ教授業などがプラス成長であったと考えられる。「商業・輸送」はわが国のスポーツにおけるBtoBビジネスの活発化を示していると考えられる。「情報通信」はスポーツそのものの成長というより情報通信全体の生産額が成長したことが考えられる。また 「建設」は東京オリパラによる建設需要増、「健康」は健康ビジネスの伸長などが考えられる。 「その他個人サービス」はスポーツ振興くじの売上増が要因である。また、唯一、「スポーツ施設提供業」がマイナス成長であり、これはスポーツ施設の社会資本が減少していることと関係していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東京オリンピック・パラリンピックが1年延期されたこと、新型コロナウイルス感染症の影響から、検証モデルと実施期間に変更が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
スポーツサテライトアカウントを開発した英国の研究者等との連携を図り、また産業調査においても官民問わず広い視点で調査を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の影響で、東京2020オリンピック・パラリンピックが延期になったことに伴い、研究計画に遅れが生じたため次年度使用額が生じた。使用計画としては、これまで得られたデータの論文化および海外・国外の学会発表の論文投稿料や旅費・交通費、学会参加料にて支出する予定である。また、追加調査の必要が生じた場合には、調査会社への委託費として支出する予定である。
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