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2020 Fiscal Year Research-status Report

Parenting in youth sport: the aspect of the motivational climate

Research Project

Project/Area Number 19K11566
Research InstitutionKonan Women's University

Principal Investigator

梅崎 高行  甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (00350439)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 酒井 厚  東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (70345693)
眞榮城 和美  白百合女子大学, 人間総合学部, 准教授 (70365823)
前川 浩子  金沢学院大学, 文学部, 教授 (10434474)
則定 百合子  和歌山大学, 教育学部, 准教授 (10543837)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords動機づけ雰囲気 / 行動観察ツール / トライアンギュレーション / 青年移行期 / 仲間 / Empowering Coaching / 達成目標理論 / 自己決定理論
Outline of Annual Research Achievements

2020年度は,2点(投稿中論文を含む)の成果報告を行った。
梅崎・酒井・眞榮城・前川・則定(2021)では,動機づけエージェントのうち,新たに仲間に着目をして,養育者との相互作用を検討した。スポーツに取り組む選手の動機づけや,スポーツを通した選手の適応的発達に,養育者の自律性支援は重要と考えられる(梅崎・酒井・眞榮城・室橋,2020)。本研究では,家庭の自律性支援が望めない場合に,仲間のポジティブな関わりが選手の自律性の低下を抑制するかについて検討した。対象は,経年調査に協力をした選手74名であった。T2時点の選手の自律性の高さを従属変数とし,養育者のパフォーマンス志向雰囲気(のうち不安助長雰囲気,T1時点)と,仲間のマスタリー志向雰囲気(のうち努力雰囲気,T1時点)の交互作用について,階層的重回帰分析を用いて解析した。その結果,交互作用が有意であり,下位検定の結果,養育者による不安助長雰囲気が高い場合に,仲間の努力雰囲気の高さは,スポーツに対する1年後の自律性の低さに関連した。本結果から,青年移行期の選手のスポーツにおける自律性にとって,スポーツや生活の基盤となる家庭環境が自律性支援の雰囲気であることの重要性があらためて確認された。
もう一点,投稿中の論文では,欧州で開発された指導者がつくり出す動機づけ雰囲気の観察ツールを翻訳,試用し,得られたデータから,開発に向けた課題を抽出した。対象はJリーグ下部組織Aアカデミーに所属するU12,13,14,15,18の5チームであった。選手の行動規範の内在化得点を従属変数として,コーチが評定した選手の将来性評価得点の影響を検討したところ,試行版ツールによって測定されたEmpowering動機づけ雰囲気の交互作用が確認された。動機づけ雰囲気を客観的に把握する観察ツールの開発に向けて,信頼性と妥当性を高めることが,今後の課題である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2020年度は,縦断2時点目調査(6月実施),協力家庭へのフィードバック(9月実施),成果報告の3点を行った。
2時点目調査では,1時点目調査の回収状況(189家庭,うち選手回答149名)を踏まえ,(1)調査項目の見直しと削減,(2)調査におけるオンラインと紙媒体の併用,以上2つの対策を行った。この結果,2時点目調査の回収状況は,134家庭(うち選手回答102名)であった。また,経年で回答を回収できた選手は74(男児66,女児8)名となった。
フィードバックでは,過去の調査協力家庭を含む376家庭に,継続調査への影響を最小にした,1・2時点目調査の記述統計量に関する報告を行った。
成果報告では,昨年度に脱稿したいくつかの成果が発刊された。梅崎(2020a)では,本研究の理論的根拠となる動機づけ理論について,スポーツ活動への援用を試みた国内外の研究を概観した。また梅崎・酒井・眞榮城・室橋(2020)では,子どものスポーツ活動に影響する動機づけエージェントのうち,養育者に着目して,選手のスポーツのコンピテンスと家庭の養育態度との関連を検討した。この梅崎ほか(2020)も含め,スポーツ心理学に興味・関心を持つ初学者や指導者,また家庭に向けて,子どものスポーツ活動に対する養育者の影響に関する知見を,梅崎(2020b)や梅崎(2020c)でまとめた。また,「研究実績の概要」での報告と重なるが,動機づけエージェントのうち,新たに仲間に着目し,2時点ともに協力が得られた選手74名のデータを経年で解析した結果について,学会で発表を行った(梅崎・酒井・眞榮城・前川・則定,2021)。他に,本研究では,調査票調査に並行して観察調査を実施している。このデータを用いて,コーチがつくり出す動機づけ雰囲気を測定する観察ツールの日本語版を試作した。当該成果を論文にまとめて提出し,現在,審査を受けている。

Strategy for Future Research Activity

昨年度,本項目で述べた推進方策((1)調査項目の見直しと削減,(2)調査におけるオンラインと紙媒体の併用)に基づき,2020年度調査を実施したものの,2時点とも回答が得られた選手の数は3ケタを切ったため,当初計画(3時点調査)の見直しを行う。
具体的には,(1)収集データの限定,(2)成果報告への注力,(3)新規調査の計画を行う。
収集データの限定については,選手を対象とした調査を見送り,調査項目を2時点目調査よりもさらに厳選した上で,ここまで2時点の調査に協力が得られた家庭のみを対象として,3時点目調査を紙媒体で実施する。3時点の協力者数が3ケタを維持できるように協力を要請していく。
成果報告への注力については,研究実績の概要で言及した2点の論文の脱稿・刊行に向けて作業を進めていく。まずは投稿中の論文について,掲載の許可が得られるように修正を図る。ついで梅崎・酒井・眞榮城・前川・則定(2021)は,論文化に着手し,年度内には掲載許可が得られるように作業を進めていく。
新規調査の計画では,今年度で研究期間が終わるため,これまでの成果を踏まえた新しい研究計画を立て,申請書にまとめる。新規計画では,投稿中の論文で開発に着手した動機づけ雰囲気観察ツールについて,信頼性と妥当性を高めるべく,サッカー以外の競技種目も対象とした調査の実施計画を立てていく。また,着目してきた動機づけエージェントについては,単独の影響を見るのではなく,3者の相互作用を検討する。これにより,スポーツを通した選手の発達におけるリスク要因と,それを予防する要因を,それぞれ明らかにしていく計画を立てる。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた経費は研究分担者の分担金である。今年度はコロナ禍に見舞われ,旅費を使用して研究成果を公表することに制限が生じた。費用を繰り越し,最終年度での成果発表やそのための打ち合わせの際に,有効に活用していく。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020

All Presentation (5 results)

  • [Presentation] 3-4歳児における「読み書き」と「自己コントロール」の発達の関連:相互影響分析を用いた保育者の発達観への注目2020

    • Author(s)
      梅崎高行・小湊真衣・高向山・山際勇一郎
    • Organizer
      日本教育心理学会第62回総会発表論文集
  • [Presentation] 電子連絡帳導入を含めた保育のICT化に関する幼児教育現場の意識について:テキストマイニングによる一考察2020

    • Author(s)
      高向山・若尾良徳・梅崎高行・山際勇一郎・小湊真衣
    • Organizer
      日本教育心理学会第62回総会発表論文集
  • [Presentation] 動機づけ研究の最前線:これから発展を期待する分野に焦点を当てて(コロナにより総会未開催)2020

    • Author(s)
      上淵寿・大芦治・高崎文子・鈴木雅之・梅崎高行
    • Organizer
      日本教育心理学会第62回総会発表論文集
  • [Presentation] 青年移行期のスポーツの自律的動機づけに関わる養育者の影響:仲間の動機づけ雰囲気との相互作用2020

    • Author(s)
      梅崎高行・酒井厚・眞榮城和美・前川浩子・則定百合子
    • Organizer
      日本発達心理学会第32回大会発表論文集
  • [Presentation] 就学移行期における子どもの発達と適応:生態学的システム理論に基づく観点からの検討2020

    • Author(s)
      眞榮城和美・酒井厚・梅崎高行・細川美幸・渡辺弥生
    • Organizer
      日本発達心理学会第32回大会発表論文集

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Published: 2022-03-04  

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