2019 Fiscal Year Research-status Report
発達が気がかりな子どもと保護者を対象にした生活習慣共育プログラムの開発
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19K11573
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
澤 聡美 富山大学, 学術研究部教育学系, 講師 (80369488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 充紀 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (50756913)
藤本 孝子 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (70377266)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 親子の運動 / 運動遊び / 運動が苦手な子供 / 生活習慣 / ウェブ型学習プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動が苦手な子供と、その保護者を対象に、運動・栄養・休養を共に学び合う、体験型及びウェブ型学習プログラムの開発と効果の検証を目的としている。本年度の計画は、国内外の情報から運動や生活習慣の教材を検討し、C-Learningを活用した生活習慣介入プログラムの開発を行うことであった。実施した内容は以下の3点である。 第1に、国内外の情報を整理すると共に、富山県の約2000人の小学生のデータから運動嫌いと運動不足の子供の家庭及び社会的要因(論文1)と睡眠習慣に関する家庭及び社会的要因(論文2)について、それぞれに論文を作成し英文誌に投稿した。現在査読中である。論文1では、親子の会話、運動による仲間づくり、メディアに勝る楽しい運動遊びの実践の必要性が明らかになった。論文2では、睡眠習慣と朝食摂取、メディア時間、運動習慣は、包括的な観点から健康プログラム化する必要性が示唆された。 第2に、C-Learningを活用した共育プログラムの実践を3か所で実施した。1つ目は地域の子育て支援を目的とした運動教室において、約70組の親子を対象に、運動の実践を月一回(計11回)行い、家庭における運動遊び等の情報発信を行った。その結果、保護者は子供との接し方や遊び方を学んでいることが分かった。さらに、ウェブ型学習では、相談できる環境づくりが重要であり、保護者の相談や要望に応える形で運動遊びを展開していくことが、利用者のニーズに合った利用方法であることが分かった。2つ目は小学校と大学の共育体制を構築し、運動が苦手な児童の運動有能感を高める授業実践を行った。3つ目に幼少児の運動指導実践を共有する仕組みをC-Learning上で構築し、教育委員会とスポーツクラブと連携し実践した。 第3に、1と2の結果から「にじいろ体操」を教材化した。ウェブ上で学習できるように、著作権の申請を行い、準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究組織と役割分担は、本研究前に構築していた為、共育実践を3か所で同時に行うことができ、C-Learningを活用したウェブ学習の効果と課題を把握することができた。また、コロナ禍の影響で、ウェブ型学習教材のニーズがあり、以下の2点を早期に実施することになった。 まず、Zoomを利用した親子の運動教室を2回、中高生及び成人を対象とした運動習慣改善プログラムの実践を行うことができた。リアルタイムに運動の実践を行うことができること、様々な理由で運動の場に参加できない子供が、運動に参加しやすというメリットがあることが分かった。一方で、運動が苦手な子供は、運動に取り組むまでに時間がかかるため、オンラインでは、親子の関わりが難しい場面も見られ、直接運動指導を行う体験型の重要性も明らかになった。 次に、現場のニーズに応える形で、個人または親子で運動する「にじいろ体操」を教材化することができた。コロナ禍の影響で運動教室を実施することができないため、ウェブ教材として大学のホームページ上に掲載できるように、現在準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、国内外の研究者と情報交換を行う予定であった。しかし、コロナ禍の影響で国内外の調査の計画が全て中止になった。そこで、令和1年度に得られた情報から論文化を進めること、改善版のウェブ型学習プログラムの作成及び、令和3年度に計画していた多世代で取り組めるような運動プログラムの作成を先に進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
昨年12月に計画以上に研究が進み、論文を投稿した。投稿が令和1年度内に受理されることを見越して前倒し請求を行い、一部は翻訳代として使用した。しかし、当初予定していた英文誌にアクセプトされず、令和2年度に他の英文誌に投稿した。現在、査読中であるため、令和2年度に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)