2021 Fiscal Year Research-status Report
中学校武道領域の各資質・能力を相互に結び付けながら育成する剣道授業に関する研究
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19K11579
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
本多 壮太郎 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10452707)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 剣道授業 / 中学校第3学年 / 共生 / アダプテーション・マッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は,当初の予定通り中学校第3学年3クラス121名を対象に,共生の視点に基づき「アダプテーション・マッチ」を取り入れた授業実践を行った。具体的には,男子と女子が同じグループやチームで,基本動作や基本となる技,チーム内での攻防やチーム対抗試合に取り組む授業内容及び展開を計画,実践した。また,令和2年度に中学校第2学年を対象に実施した授業実践や本科研費に関連する研究の成果を下記の通り報告した。【学会発表】●山田弥香・本多壮太郎(2021)攻防に関する知識の構造化とその活用を図る中学校第2学年の剣道授業の評価分析:攻撃づくりシートの分析を通して,日本武道学会第54回大会(2021年9月6日~12日,Web開催),日本武道学会アイ54回大会研究発表抄録:75.●山田弥香・本多壮太郎(2021)剣道授業での交代型と一体型の攻防における攻撃づくりの記述と学習者が感じる楽しさに関する比較及び検討,日本スポーツ教育学会第41回高い(2021年10月29日~11月8日,Web開催),日本スポーツ教育学会第41回大会研究発表抄録:42.●本多壮太郎(2021)安価で手作り可能な剣道授業用簡易面紐の作製,日本スポーツ教育学会第41回高い(2021年10月29日~11月8日,Web開催),日本スポーツ教育学会第41回大会研究発表抄録:53.【論文】●本多壮太郎(2022)攻防に関する知識の構造化とその活用を図る中学校第1学年の剣道授業の評価分析,福岡教育大学紀要,71,第5分冊: 77-88.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は,令和2年度の授業実践の成果の報告(学会発表や論文投稿等)をほぼ予定通りに進めることができた。また,中学校第3学年を対象とした授業実践についても予定通り終了することができた。授業では,共生の視点に基づき,中学校第3学年の男子と女子が同じグループやチームで,基本動作や基本となる技,チーム内での攻防やチーム対抗試合に取り組む図る授業内容及び展開を計画通り実施することができた。実践のデータ収集においても,対象者となった生徒のアダプテーション・マッチのに向けた取り組み意識や課題についての記述データ,アダプテーション・マッチで考案されたルールに関する記述データ,形成的授業評価データ,スキルテストのデータ,共生態度尺度によるデータが計画通りに収集された。これらのデータの予備的分析の結果,計画,実践された内容及び展開は,対象者が男女の差や体格,体力,運動能力,技能の差を超えて,仲間と楽しく協働的に授業に取り組むことができていたことが明らかになっている。今後はより厳密なデータを分析を進めていくとともに,結果の報告の準備や授業計画や資料の改善を行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については,当初の予定通り,中学校第3学年を対象とした授業実践を通して収集し、予備的に分析したデータをとり厳密に分析し,成果を公表する学会発表及び論文投稿,学習指導支援資料の作成を進めていく。また,これまでの研究の成果と課題に基づき,中学校3年間での授業内容・展開,学習指導上のポイント,教具の作成方法等をまとめた資料(動画資料含む)の作成を行う。さらに新型コロナウイルス感染拡大により,剣道具を用いずに授業を実施する場合の具体的内容と,ICTを活用した授業内容・展開については,学会発表や研修会,講習会等を通して多くの質問や問い合わせを受けたことから,これら点についても今後の研究の課題として具体的な検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
今年度(令和3年度)は、体育ネットワーク研究会での資料収集及び情報共有のための旅費として150,000円を計上していたが,新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されたため,対面での研究会が開催されず,この予算を使用することがなかった。今年度(令和3年度)使用しなった助成金については,次年度(令和4年度)分として請求した助成金と合わせて,令和3年度に実施した中学校第3学年を対象とした授業実践を通して収集したデータを分析するための人件費や,成果を学会で発表するための旅費,3年間の研究の成果をまとめた教師用指導資料(動画資料含む)を作成するための人件費・謝金として使用する予定である。
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