2022 Fiscal Year Annual Research Report
中学校武道領域の各資質・能力を相互に結び付けながら育成する剣道授業に関する研究
Project/Area Number |
19K11579
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
本多 壮太郎 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10452707)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知識の構造化 / 共生 / アダプテーションゲーム / リズムで行う剣道 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,令和3年度に中学校第3学年を対象に実施した授業実践を通して収集したデータの分析,成果の発表,学習指導支援資料の作成を行った。第1・2学年での実践の積み重ねを踏まえ,第3学年で実施した主な内容は,アダプテーションゲーム剣道版を取り入れた試合(試し合い)である。作成した「アダプテーションシート」への回答の集計及び記述に着目し,対象者はどのような修正ルールのもと,どの程度本気で,楽しく試し合うことができたかについて分析した。結果,ほぼすべての対象者が自分たちで修正ルールを考案することができ,様々な相手と100%の本気度で楽しく試し合いの攻防をできたことが明らかとなった。単元前後に実施した「共生体育態度尺度」(梅澤ほか,2021)による質問紙調査の結果からは,全12回の授業を通して,対象者の「ちがいの受容」因子における有意な高まり,「過度な勝利志向」因子における有意な低下が認められ,計画,実践した授業は,様々に異なる仲間と協力したり,運動したりすることに関する態度の育成に貢献できるものであった。これまでの研究の成果は,日本体育科教育学会,日本武道学会、東アジアスポーツ学会で口頭発表,福岡教育大学紀要への投稿,学習指導支援資料(動画教材)の作成により公表した。東アジアスポーツ教育学会での口頭発表は,韓国や台湾の研究者の関心も高く,「Excellent Presentation」の受賞対象となった。学会での発表や論文投稿だけでなく,動画資料を作成したことは,本研究の成果を学校現場に具体的に還元していく上で有効であると考える。
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Remarks |
動画教材 リズムで行う剣道(剣道具なしVersion)には11本,動画教材 リズムで行う剣道(剣道具ありVersion)には19本の動画を公表
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