2020 Fiscal Year Research-status Report
Development and verification of the long-distance running unit that aimed at improving technical and psychological self-control ability.
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19K11586
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
小山 浩 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (60805521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 和弘 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (20327183) [Withdrawn]
池田 英治 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (70726877)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 技能的・心理的セルフ・コントロール能力 / 中学校体育学習 / 長距離走単元 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である、体育学習が認知能力としての技能的なセルフ・コントロール能力と非認知能力としての心理的なセルフ・コントロール能力の育成にどのように係わるかについて、2年目の取り組みであった。 2020年の7月に浜松市の公立中学校1,2年生を対象に、心理的なセルフ・コントロールの追調査を実施した。さらに、2020年11月から、主調査を研究協力校である東京都内の国立大学附属中学校において、体育授業「長距離走単元」の本研究での第2回を実施した。単元の前後に、心理的なセルフ・コントロール能力についてのアンケートを昨年度同様に実施した。また、技能的なセルフ・コントロール能力についての変容も、昨年度と同様、単元カードに記載された授業記録から読み取った。 結果として、心理的なセルフ・コントロール能力ついては、単元前後で項目毎に若干の変容は見られたが、一次分析において、昨年度と同様に総合的には、有意差を検出するには至らなかった。データのより詳細な分析を、COVID-19感染拡大前後の比較と合わせ、2019年度、2020年度のデータの結果を踏まえつつ、結論を導いていきたいと考える。一方の技能的なセルフ・コントロール能力については、長距離走において、自己のペースを一定にコントロールして走る能力を技能的なセルフ・コントロール能力として捉え、単元前後での変容を検討した。2019年度と同様に予定タイムと、結果タイムとの差を記録した。単元が進むに従ってどのように変化するかを調べた。結果は、2019年度と同様に、この差の有意性を見ることができ、単元を通して技術的セルフ・コントロールの慎重を確認することができた。 以上のことから、体育学習において、特に長距離走単元では、セルフ・コントロール能力のうち、技能的なものは生徒に獲得させうるが、心理的なセルフ・コントロール能力は 伸張させえない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力校において、COVID-19感染拡大状況であっても、本研究に必要なデータの取得が順調に進んでいる。まず、授業実践に合わせ、適切な物品の追加供与を行い、授業実践の適正を期すことができた。そのため、男女合わせて200名近い中学生による授業展開が順調になされ、クラス毎(各40名全5クラス)ほぼ同一の授業内容が展開された。昨年度とは異なり、天候に恵まれ当初の予定通りの単元計画に沿って、授業展開がなされた。 2020年度取得したデータは、一次処理のための入力作業がやや滞っているものの、2021年度当初には完了予定である。また、2020年度に別途取得した単元前後の長距離走単元についてのアンケート調査結果も追加分析を行う。今後とも研究協力校と連絡を密にとり、体力テスト結果取得と合わせ、データの整理を進める。2021年度についても、単元前後の長距離走単元についてのアンケート調査を実施し、心理的なセルフ・コントロール能力に通じる内容を抽出し、関連性を調べ、データ分析の視野を広げることに役立てる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で必要とするデータを蓄積するにあたり、2021年度も長距離走単元の体育授業実践を研究協力校とともに推進する必要がある。COVID-19感染拡大の影響で、思うように当該校への打ち合わせ訪問ができない可能性があるものの、メール・zoom等のテレワークを活用し、綿密な連携をとり、2021年度の授業実践の修正点を確認しつつ、取得すべきデータの精度をより上げていく。すなわち、単元を通して心理的なセルフ・コントロール能力を向上させうるのかを調べるために、前年度までの実践において取得した、アンケート調査を含めた諸データの分析を進める。 さらに、長距離走単元の授業実践の適正をより期すためにも、新規物品の購入や補充を、研究協力校との打ち合わせをもとに、随時進める。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大の影響により、出張が減り、旅費支出が余剰となった。また前年度購入した物品の欠損が少なく、一部補充を必要としなかった。 次年度分の消耗品の購入、欠損物品の補充に当てる。
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Research Products
(2 results)