2023 Fiscal Year Annual Research Report
体力測定データを用いた疾病予防のための新規予防法開発に向けた疫学研究
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19K11591
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
丸藤 祐子 駿河台大学, スポーツ科学部, 准教授 (60613932)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 柔軟性 / ストレッチング / 高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
全身持久力・筋力・柔軟性・平衡性は体力の主要な構成要素である。柔軟性や平衡性といった、必ずしも大きなエネルギー消費を必要としない体力については、全身持久力や筋力ほど重要視されてこなかったが、柔軟性と高血圧発症の関係をコホート研究によって調査した結果、柔軟性が高いほど、高血圧発症リスクが低いということが明らかとなった。そこで、柔軟性の向上に資する運動であるストレッチングにより動脈スティフネスや血圧との関係を調査した文献レビューを実施した。柔軟性を改善させるための運動は、ストレッチングやヨガである。全身のストレッチングを実施し、一過性の動脈スティフネスへの応答の調査では、faPWVとbaPWVは30分後で最も低下し、60分後では実施前の値に戻ることが観察された。一方で、cfPWVは有意な変化は観察されなかった。健康な中年男性を対象にして、1回約30分で週5日のストレッチングを4週間実施した結果、baPWVが低下したことが報告されている。健康な閉経前女性を対象にして毎日ストレッチングを24週間実施した介入研究では、baPWVが低下している。この研究では、介入後にdetraining periodを設定し、baPWVがもとの値に戻ったことも示されている。肥満閉経後女性を対象にした研究では、週3回のストレッチングを8週間実施した介入研究において、PWVに変化はなかったが、SBP、DBP、augmentation indexが低下したことが確認されている。この研究において、vascular sympathetic activityのマーカーとされるlow-frequency component of SBPも低下したことから、ストレッチングがvasomotor toneの交感神経調節を改善し、血圧やaugmentation index の低下を引き起こしたのかもしれないとしている。
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