2019 Fiscal Year Research-status Report
小学校体育科「体つくり運動」領域における基本的な動きの評価方法の開発
Project/Area Number |
19K11595
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中村 和彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80217835)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 小学校体育科 / 体つくり運動領域 / 基本的な動き / 評価方法の開発 / 授業実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小学校学習指導要領の「体つくり運動」領域において、児童の基本的な動きの洗練化を客観的に捉え、ねらいにあった授業の展開を支援できるような評価システムを開発することを目的としている。具体的には、動作発達学の研究成果を導入し、基本的な動きの観察的評価の手法を取り入れることにより、小学校体育における基本的な動きの洗練化を目指した観察的評価システムを確立し、児童が基本的な動きを洗練化させていくための効果的な授業実践の創出を目指すものである。 研究1年目の令和元年度は、①児童の基本的な動きの習得状況の把握と、②基本的な動きを観察的に評価するための評価基準の作成を目指して研究を進めた。 ①児童の基本的な動きの習得状況の把握に関しては、研究協力の内諾を得ている東京都の小学校において、1年生から4年生までの児童が実践する体育授業の観察によって、基本的な動きの抽出を行った。これらの観察をもとに、令和2年2月に、抽出した基本的な動きをデジタルビデオカメラを用いて撮影する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染防止のため、都内公立小学校での研究活動が全面的に禁止となり、基本的な動きのビデオ撮影は実施できていない状況である。 なお、本研究において設定する基本的な動きは、小学校学習指導要領解説体育編の「多様な動きをつくる運動(遊び)」に例示として提示されている基本的な動きをもとに、体育の授業実践場面に多く出現する基本的な動きとしている。 ②基本的な動きを観察的に評価するための評価基準の作成に関しては、先行研究による予想される動作カテゴリーの抽出は終了している。ビデオ撮影が可能になり次第、基本的な動きの身体部位別・運動局面別の動作カテゴリーを決定し、その動作カテゴリーの組み合わせによって、基本的な動きの発達過程を明らかにし、観察的な評価のための評価基準を作成する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小学校体育の授業において、児童が基本的な動きを洗練化させていくための効果的な授業実践の創出を目指す本研究は、以下の4つのステップでの研究を計画している。 ①児童の基本的な動きの習得状況の把握、②基本的な動きを観察的に評価するための評価基準の作成、③評価基準の妥当性、信頼性、客観性の検討と基本的な動きの観察的評価システムの開発、④体育授業への観察的評価システムの導入、及びデジタル教材としての提案と検討、の4つの研究ステップである。 研究1年目の令和元年度は、①児童の基本的な動きの習得状況の把握、②基本的な動きを観察的に評価するための評価基準の作成について進めてきた。 ①児童の基本的な動きの習得状況の把握に関しては、研究協力の内諾を得ている東京都の小学校において、1年生から4年生までの児童が実践する体育授業の観察によって、基本的な動きの抽出を行った。 これらの観察をもとに、②に関しては、令和2年2月に、抽出した基本的な動きをデジタルビデオカメラを用いて撮影する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染防止のため、都内小学校での研究活動が全面的に禁止となり、基本的な動きのビデオ撮影は実施できていない状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の推進方策としては、計画している4つの研究ステップのうち、令和元年度に計画し、新型コロナウィルス感染予防のため研究を遂行できなかった、②基本的な動きを観察的に評価するための評価基準の作成を早急に進めていきたい。 しかし、研究対象校が都内公立小学校であり、学校再開後間もないことから、データとなるデジタルビデオでの撮影が不可能な状況である。 今後、撮影可能な状況となり、データの取得ができ次第、令和2年度から3年度にかけて、③評価基準の妥当性、信頼性、客観性の検討と基本的な動きの観察的評価システムの開発を行い、計画最終年度としている令和3年度に、④体育授業への観察的評価システムの導入、及びデジタル教材としての提案と検討、を順次行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
小学校体育の授業において、児童が基本的な動きを洗練化させていくための効果的な授業実践の創出を目指す本研究は、4つのステップでの研究を計画した。 そのうち研究1年目の令和元年度は、①児童の基本的な動きの習得状況の把握、②基本的な動きを観察的に評価するための評価基準の作成について進めてきた。対象となる東京都内の小学校での研究打合せや実態調査をすすめた。①児童の基本的な動きの習得状況の把握に関しては、研究協力の内諾を得ている東京都の小学校において、1年生から4年生までの児童が実践する体育授業の観察によって、基本的な動きの抽出を行った。 これらの観察をもとに、②に関しては、令和2年2月に、抽出した基本的な動きをデジタルビデオカメラを用いて撮影する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染防止のため、都内小学校での研究活動が全面的に禁止となり、基本的な動きのビデオ撮影は実施不可能であった。そのため当初予定していた旅費、消耗品費、研究補助費等の助成金支出が無かった。令和2年度に、対象とすると都内小学校の開校状況と打合せをもとに、データ収集をすすめ、計画通りの支出をする予定である。
|
Research Products
(36 results)