2021 Fiscal Year Research-status Report
活動後増強を援用した新たな運動パフォーマンス改善法の開発
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19K11601
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
金高 宏文 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (40214928)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 活動後増強 / スプリント走 / 事前負荷運動 / 関節トルク / 転移 / 運動構造 / 実施条件 / スティック走 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新たな運動パフォーマンスの即時的な改善法として、活動後増強のメカニズムを援用し、走運動(スプリント走)を例として、事前に行う負荷運動(事前負荷運動)を考案し、特定筋群の筋活動を活性化もしくは不活性化させて既習の運動フォームを変更させる改善法(仮称:事前負荷運動法とする)を明らかにすることを目的としている。 令和3年度は、令和元年度・令和2年度に実施できなかった大学生及びマスターズの陸上競技者を対象として、動員する筋群やその出力範囲(関節角度等)を変えた数種類の事前負荷運動が対象者の既習したスプリント走の運動パフォーマンスにどのように影響するかを明らかにする予定であった。 しかし、令和2年度に引き続き新型コロナ感染症の拡大や学内での発生に伴い、実験等を予定通り行うことができなかった。特に、高齢者であるマスターズ選手については予備実験しか行えなかった。そこで、次年度に備えて、実践場面でスプリント走のパフォーマンスに好影響を与えるような事前負荷運動を事例的に探索した。その結果、スプリント走の運動構造の基本構造を反映したスキップ運動やランジ歩行運動の場合に、スプリント走のパフォーマンスが高まるような変化を導く可能性を確認した。また、令和2年度に検討した、事前負荷運動法が単に筋群に着目して負荷を加えるだけでなく、運動構造全体への環境負荷(制約・制限)も考慮して実施される必要性についても事例的に確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画において、令和元年の後半から令和3年度で大学生及びマスターズの陸上競技者を対象として実験をすることとなっている。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大、学内発生により実験等を予定通り行えなくなった。その点で、本研究は「遅れている」と判断される。 なお、最終年度となる令和4年度では、学内の新型コロナウイルス感染症対策において許可制により実験を実施することが可能となった。そのようなことから、これまでのような実験の休止をせずに研究課題に取り組めることができると考えている。効率よく実験を進めていきたいと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度から令和3年度に実施できなかった大学生及びマスターズの陸上競技者を対象として、動員する筋群やその出力範囲(関節角度等)を変えた数種類の事前負荷運動が対象者の既習したスプリント走の運動パフォーマンスにどのように影響するかを明らかにする。その際に、筋群に着目して負荷を加えると同時に、これまでに明らかにした重心やSpring-Massモデルのような運動構造全体への負荷も考慮した事前負荷運動も実験試技に加えることや、事前負荷運動の波及効果を最大限に引き出せるスプリント走の実施条件の有効性も検討する実験を行う。また、算出できなかった事前負荷運動中やスプリント走中の下肢関節トルクの算出も行う。 なお、3年間思うような実験ができなかったので、令和4年度に研究全体の目的が達成できるように被検者数と検証運動を調整して、目指す特定筋群の筋活動を活性化もしくは不活性化させて既習の運動フォームを変更させる改善法(仮称:事前負荷運動法とする)を明らかにする。
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Causes of Carryover |
令和3年度は、マスターズの陸上競技者をはじめ実験が十分に行えず謝金が余ったこと、それにともない実験・データ分析等の研究補助に係る謝金も余ったこと、十分な成果を得ることができず学会発表のための旅費の未使用により、次年度使用額が生じた。 令和4年度では、前年度の未実施の実験に対する謝金、研究補助等で用いる。
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