2022 Fiscal Year Research-status Report
Prospective investigation for contribution of physical activity and fitness to children's cognitive and non-cognitive skills, and its mechanism.
Project/Area Number |
19K11602
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
長野 真弓 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (10237547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 安子 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (60388212)
足立 稔 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (70271054)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 体力 / 学力 / メンタルヘルス / 非認知スキル / 社会情動的スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
学習指導要領の改訂により、学力のみならず、社会生活全般に必要とされる心理社会的特性(豊かな人間性)や体力をバランスよく育む教育方針が打ち出されているが、社会経済学分野で社会・経済的達成との関連が報告され、近年特に注目を集めている非認知スキル(世界経済協力開発機構:OECDは「社会情動的スキル」と表記)と、「体力」に代表される身体活動指標との関連についてのエビデンスは極めて乏しい。よって、当年度は、小・中学生で毎年測定されている体力および授業以外での運動習慣が、後年の認知・非認知スキルにもたらす貢献と、そのメカニズムを横断的・縦断的データの解析により明らかにすることを目的とした。 2022年度は、研究代表者・分担研究者が研究に充てる予定であったエフォートの殆どを、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)対策及び授業対応等の学務に割かざるを得ない状況が続いたことから、研究期間を延長し、9年間続いた調査で蓄積したデータのクリーニング作業、データ解析を行った。 中学生を対象とした研究では、生活習慣、主観的学力、心理社会的特性を統計的に考慮しても、独自に精緻化した尺度で評価した非認知スキル(社会情動的スキル)と体力・運動習慣との間に有意な関連を認め、成果を論文化して投稿準備を進めている。さらに、中学1年時のデータ解析により、女子であること、入学後2か月時点で調査したゲーム時間が長いこと、自習時間が短いこと、さらに抑うつ・不安症状を保有していることは当該年度の2日以上の欠席を予測していた。 一方、小学生のデータでは、2年生時の体力は、他の因子を統計的に考慮しても、5年生時の抑うつ・不安症状を予測していた。この成果についても、学会発表を済ませて論文執筆中である。いずれも2022年度内の論文公表が叶わなかったが、2023年度の出来る限り早期の受理を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者・分担研究者が研究に充てる予定であったエフォートの殆どを、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)対策及び授業対応等に割かざるを得ない状況が続いたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の取得当初から、授業およびそれ以外の学務負担が極めて多く、研究計画を遅延せざるを得なかった。データ収集・クリーニングは完了しているため、2023年度は、授業以外の時間をできうる限り多く成果公表作業にあてる。具体的には、過去に学会で発表した横断データの論文化、縦断データの解析と学会発表、およびその論文化を早急に進める。
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Causes of Carryover |
Covid-19の感染拡大のため、対面で出席・発表予定であった学会がオンライン参加となり、旅費の支出が全くなかったこと、および論文公表にかかる費用の執行が研究計画の遅延により発生しなかったこと、さらに、前述の事由により事務作業量が当初の見込みより少なくなり、謝金支出も減ったことが、次年度使用額の発生の主な理由である。
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Research Products
(2 results)