2019 Fiscal Year Research-status Report
発達障害者の動作・立体認知における視線行動特性の解明
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19K11608
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
塩田 琴美 早稲田大学, 重点領域研究機構, その他(招聘研究員) (50453486)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 発達障害 / 視線行動 / 立体認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障害の児童・生徒は、動作時に「ぎこちない」、「不器用」とも表現されやすく、教育現場においても発達障害の診断を受けた児童・生徒の姿勢や体の動きが課題にあげられることが多い。海外の研究において、発達障害者が特有の眼球運動を示すことも明らかになってきており、発達障害者の動作時における問題は身体の機能的な問題だけでなく、動作や立体認知が入力される視覚情報処理の段階で、健常者と異なる捉え方をしているのではないかと考えた。そのため、本研究は3年間の計画で、静的場面、動作場面および立体認知の3つの条件での視線行動について分析をし、発達障害者と健常者における視線行動の違いについて明らかにする。研究期間を通じて下記の3つの研究課題を遂行する。研究課題1:発達障害者と健常者を対象に行う。それぞれの群に、条件1:静的な課題、条件2: 動的な「運動場面」の画像における視線行動について分析を行う。研究課題2:発達障害者と健常者における3条件の視線行動の違いを明らかにする。研究課題3では、「立体の認知」をどのように捉えているかの分析を行うために、立体が作り上げられる過程の動画を見せた後、実際にお手本通りに立体を作るように指示し、お手本の作業過程での動画における視線行動および実際に対象者が立体を作り上げる際の眼球運動の測定を行う。2019年度においては、国内外の情報収集と研究を実施する上での環境整備など測定に向けた準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度においては、情報収集と研究を実施する上での準備を行い、概ね問題なく研究計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究計画に基づき、研究課題1の発達障害者と健常者を対象に、条件1:静的な課題、条件2: 動的な「運動場面」の画像における視線行動、条件3: 「立体の認知」の動画、さらにそのお手本動画に基づき自身が立体を作りあげる際の視線行動について測定を実施する。
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Causes of Carryover |
研究を実施していく中において、対象者の特性に合わせ、さらに詳細な検討が必要となり、視線行動解析を行う上でのシステムについても当初予定していた仕様のものに変更を加えることを検討しているため。
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