2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K11614
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 敏彦 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (00229048)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原・権藤 雄一 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (60573764)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 高校体育実技 / 意義 / 高大連携 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度(平成31年度)の研究計画はアンケートを開発すること、倫理委員会への申請を行うことであった。アンケートを作成し、グーグルアンケートシステムによってパイロットスタディーを行った。大学生228名に対しアンケートを行なった。高等学校における体育実技の必要性は実に94.7%(216/228)が必要と答えた。しかし特筆すべきは50%(114/228)の学生が教科書に記載されている体育実技の意義について理解せず授業を受けていたと回答した。また14.9%(34/228)の学生が体育実技の授業において教員の指導について「実技指導はあまりなく、行うことの指示のみで、後は見ているだけのことが多かった。」、2.6%(6/228)の学生が「教員は授業に顔を出さないこともあり(出しても最初と最後だけなど)、生徒が中心となって進めていた」と回答した。さらに31.1%(71/228)の学生が「全体的に実技指導は行っていたが、個人的な指導はあまりなかった。」と答えた。実技授業の振り返り学習(記録として残す行為)の実施率は30.4%(90/228)にとどまっていた。また実技試験は14.5%(33/228)が実施されていないと解答した。高校における体育実技の目標は「明るく豊かで活力ある生活を営む態度を育てる」とあるが、高校における現状の体育実技指導で果たして目標に見合う成果が得られるか否かの問いには疑問が残る結果であった。入試科目などについて同様の調査が必要であるが、意義の周知や教員の行動については手抜き教育が行われている可能性も示唆された。倫理委員会には申請し承認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度(平成31年度)の研究計画はアンケートを開発すること、倫理委員会への申請を行うことであった。アンケートはグーグルアンケートシステムを用い、作成後パイロットスタディを行った。また倫理申請も承認されているため当該年度の計画は順調に進んでいると判断できる。ただ質問をさらに簡素化する方向で進めたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は体育実技の授業において、アンケート調査を実施する。約500名の学生に、前年度と同様の方法にてアンケート調査を実施する。また、学生が卒業した高等学校のうち、5名以上の卒業生が出ている高等学校(30校程度を予定)と、その学校を除き全国から無作為に選んだ高等学校(100校を予定)の体育実技を担当している教員にも同様のアンケート調査を郵送またはグーグルアンケートシステムにて実施する。
|
Causes of Carryover |
アンケート開発に必要な旅費などがWEBシステムの発達により節約できたことが理由である。
|