2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K11614
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 敏彦 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (00229048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原・権藤 雄一 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (60573764)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高校体育実技 / 体育実技の意義 / 大学生 / アンケート |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度はアンケートフォームを開発、実施した。グーグルアンケートシステムによって大学生1625名に対しアンケートを行ない925名から回答を得た。高等学校における体育実技の必要性について「生徒が意義を理解していなくても必要」は53.2%(492/925)、「生徒が意義を理解した上で必要(知らなくてもなくす必要は無い)」は40.8%(377/925)、「生徒が意義を理解していなければ不要」は4.8%(44/925)、「生徒が意義を理解していても不要」は1.2%(12/925)であった。大学生の半数はその意義を問わず必要と答えているが、一方で半数は意義を知った上で行う必要はあると回答している。体育授業を行う意義を理解して授業を受けていましたかという問に対しては、約70%は意義を理解していたと答えた。一方で「ほとんど理解していなかった」は24.9%(230/925)、「全く理解していなかった」は 6.7%(62/925)であり、約30%は意義を知らずに受講していたことが明らかとなった。担当教員の指導について一番近いものはどれですかという問に対して「先生からのアドバイスはあまりなく、見守っていることが多い指導」は20.5%(199/925)、「先生は授業の開始時と終了時のみで授業時にいないことが多く、生徒が中心となって行われていた」は6.1%(56/925)であった。つまり学生の約25%は教員の積極的な指導を受けていない可能性が示された。実技授業の振り返り学習の実施率は47.7%(441/925)にとどまっていた。高校における体育実技の目標は「明るく豊かで活力ある生活を営む態度を育てる」とあるが、高校における現状の体育実技指導で果たして目標に見合う成果が得られるか否かの問いには疑問が残る結果であった。意義の周知や教員の行動については教員のさらなる努力が必要とされる結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度に計画していたアンケートの開発とグーグルアンケートシステムにより実施することができた。5大学の協力を得ることができ1625名に対してアンケートを行い925名から回答を得ることができた。これまで客観的に評価されてこなかった高校の体育の実技について大学生の経験を聞くことで評価することが可能になったと思われる。さらに高校教員向けのアンケートも制作することができ、令和3年度に実施できる準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度には大学生を対象としたアンケート結果の解析を行い、高校の体育実技の実態を明らかにする。またこのデータを元に論文作成を行い、体育学会などで発表を行う。さらに大学生に行ったアンケートと同内容のアンケートを現役の高校教員に実施し、大学生へのアンケート結果と比較する。教員と高校生の体育実技実に対する認識(意義、意欲、熱意など)の差を明らかできるかもしれない。
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Causes of Carryover |
グーグルアンケートシステムの利用やオンライン会議方法の発達、コロナの影響などで支出を削減することが可能になったため。
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