2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigating the levels of school club activities based on DNA damage and recovery capacity in adolescent girls
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19K11617
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Research Institution | Okayama Healthcare Professional University |
Principal Investigator |
安田 従生 岡山医療専門職大学, 健康科学部 作業療法学科, 教授 (00467119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷岡 利裕 昭和大学, 薬学部, 准教授 (80360585)
中澤 公孝 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90360677)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / DNA損傷・修復能 / 酸素摂取能力 / ステロイドホルモン / 第二次急伸期 / ミトコンドリアDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、成長期(第二次急伸期直後の14歳~18歳)の女子中学・高校生を対象として、中強度持久的運動後のDNA損傷及び修復能を基準とした体細胞へのストレス耐性を酸素摂取能力、エストロゲン濃度及びミトコンドリアDNAコピー数との関連性から検討することを目的としている。令和元年に引き続き、おおむね計画通り、令和2年度はDNA損傷及び修復能を基準とした体細胞へのストレス度を検討するため、酸化ストレスに関連する各種生体マーカーの定量を引き続き実施した。特に、DNA損傷・修復能と酸素摂取能力、エストロゲン濃度及びミトコンドリアDNAコピー数との関連性に焦点を当て検討した。その結果、DNA損傷・修復能とエストロゲン濃度、そしてまた、DNA損傷・修復能と唾液中ミトコンドリアDNAコピー数の間に有意な相関関係はないという結果を得た。その結果に準じて、現在、酸素摂取能力の指標である換気性作業閾値や最大酸素摂取量以外の項目にも着目し、唾液中ミトコンドリアDNAコピー数の変化に反応する可能性のある高感度指標を特定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
身体の体力レベルの向上に対して、DNA修復能やミトコンドリアコピー数が増加する傾向にあるという血液や組織検体を用いた研究報告がある。しかしながら、本研究では唾液検体を使用し、DNA損傷・修復能とミトコンドリアDNAコピー数の間に有意な相関関係はないという結果を得たため、先行研究と本研究とのデータ比較において、検体の種類による相違が本研究結果に多少の影響を及ぼしている可能性があると推察した。そこで、それらのことに付随する詳細な関連性を検討するため、身体における酸化ストレスに反応する可能性のある高感度指標の特定(DNAのテロメア長等)や自律神経系及び免疫系機能の定量も段階的に実施している。これらのことは、ほぼ研究計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度では、令和元年度から獲得してきた各種生化学分析データを検討しながら、成長期の女子中学・高校生における性周期の身体酸化ストレス系反応を包括的に検討し、高感度で反応するバイオマーカーを特定していく予定である。それらのことを踏まえて、令和元年度~令和3年度までの本研究で、①酸化ストレス系、②心肺機能系、③ステロイドホルモン系、④自律神経系、⑤免疫系関連の分析で得たデータを基に、成長期の女子中学・高校生における部活動水準の至適設定(パフォーマンスの向上やオーバートレーニング防止のための生理学的至適水準の設定)を行うための判断基準となる“生理学的閾値”を探求していく所存である。
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Causes of Carryover |
令和2年度における一連の解析で必要となった必要物品(試料、キット)及びその他の物品(消耗品等)で使用する予定であった一部の研究費用が令和3年度に繰り越しされ、令和3年度においては、令和元年度から2年度までで得た結果に基づき、引き続き生化学分析を行う予定である。また、上記の研究結果を得て、令和3年度における研究費(旅費)は、国際学会での研究発表(アメリカ生理学会、アメリカスポーツ医学会、オーストラリアスポーツ医学会等)及び情報収集で必要となる経費に割り当てられる。
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