2019 Fiscal Year Research-status Report
幼児における客観的評価に基づいた身体活動促進と座位行動抑制方策の構築
Project/Area Number |
19K11620
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
安藤 大輔 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10447708)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 千晶 桜美林大学, 健康福祉学群, 准教授 (40369616)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 幼児 / 身体活動 / 座位行動 / 加速度計 / 姿勢計 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児期に遊びや運動をはじめとする身体活動の促進を図ることはその持ち越し効果の観点からも極めて重要である.また,近年,身体活動量のみならず座位時間や姿勢変動も健康指標と関連することが報告されているが,客観的な測定方法により,その実態を評価している研究は少ない.これまでは欧米を中心に検討が進められているが,日本における身体活動とその変動要因との関係は諸外国とは異なっていることも報告されており,保育制度や生活環境の異なる日本の幼児を対象とした研究が必要である.特に,日本では,就学前施設利用率が高く,就学前施設内における保育時間中の身体活動量の変動要因を明らかにする必要があるが,これまでほとんど検討が行われておらず日本の実態は不明である.そのため,身体活動との関係や姿勢変化を促し座位時間を減らす効果的な介入方法も知られていない.そこで,本研究では幼児の姿勢変化を促し座位時間を減らし,身体活動量を高めるための具体的な介入方法を構築し,保育施設内における環境設定のあり方に資する知見を提供することを最終的な目的としている.本研究の初年度の当初の計画では,幼児の保育施設内における身体活動促進方策の構築に向けた基礎的知見を得るため,幼児の座位行動時間や姿勢変化の実態および身体活動量との関連,及び探索的にそれらに関連する要因を調査する予定であったが,不測の事態により最終的に調査を実施することが難しい状況であった.ただし,予備調査として,小規模ではあるが幼児において3軸加速度計を使用した調査の実行可能性は検討することができ,実施できる環境が整えば調査自体の遂行は可能であることは確認できた.また,分担研究者との他の共同研究にて姿勢計を装着した調査の実行可能性や実施する際に注意すべき点の情報を共有することができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定では,2020年の2月~3月に調査を実施する予定であり,それが困難な場合に状況により4月~5月に調査を実施する方向性も探ったが,不測の事態により本調査を実施することができなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
現在,調査を実施する予定である施設の状況を伺いながら準備を進めているが,現状は調査実施の目途が立っていない状況である.しかし,分担研究者や連携研究者にも助言を受けながら研究目的を達成すべく調査園あるいは調査地域の変更を含め検討を進めている状況である.また初年度の調査が実施できなかったため,2年目に予定していた縦断的な調査の実施は実質的に不可能であるが,研究デザインを工夫することで最終年度までに目的を達成するための実施方法の可能性を探り,それが難しい場合には研究期間の延長も視野に入れて計画していく.
|
Causes of Carryover |
本研究では,幼児の身体活動量を評価するための3軸加速度計と座位行動および姿勢変化を評価するための姿勢計を用い調査を進める予定であったが予算総額の観点から2つの機器を揃えることが困難であると判断し,まずは3軸加速度計の購入を進めた.今年度は今年度の予算額と昨年度の繰越額と合わせて姿勢計を購入する予定である.しかしながら,予定している調査の対象者数と予算総額の関係上,2つの機器を用い検証を進める事が厳しい面もあると感じている.本研究の究極的な目的は,「幼児における身体活動促進方策の構築」であるため,分担研究者や連携研究者とも議論を進め優先順位をつけ1つの機器に絞って検証を進めた方が最終的な研究目的を達成できると判断した際には,身体活動量の計測機器として国際的に広く使用されている3軸加速度計の追加購入を進める予定である.
|