2020 Fiscal Year Research-status Report
幼児における客観的評価に基づいた身体活動促進と座位行動抑制方策の構築
Project/Area Number |
19K11620
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
安藤 大輔 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10447708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 千晶 桜美林大学, 健康福祉学群, 准教授 (40369616)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 幼児 / 身体活動 / 座位行動 / 加速度計 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで日本の特に幼児において客観的な測定方法により,身体活動量や座位行動の実態を評価している研究は少ない.本研究は,幼児の姿勢変化を促し座位時間を減らし,身体活動量を高めるための具体的な介入方法を構築し,保育施設内における環境設定のあり方に資する知見を提供することを最終的な目的としている.本研究の当初の計画では,幼児の保育施設内における身体活動促進方策の構築に向け3年間の内の最初の2年間で幼児の座位行動時間や姿勢変化の実態及び身体活動量との関連と探索的にそれらに関連する要因を調査する予定であったが,今年度も昨年度と同様に不測の事態により大規模な調査や関連要因を検討する調査を実施することは難しい状況であった.そのため,今年度は昨年度に小規模に実施した予備調査の対象者に対し,3軸加速度計を使用し身体活動及び座位行動の時間の調査を実施した.3軸加速度計の測定におけるサンプリング周波数は30Hz,エポックは15秒とした.各身体活動レベルのカットオフポイントはSchmustz et al.(2018)の基準を採用し,座位行動,低強度身体活動,中高強度身体活動に分類した.保育施設内における身体活動と座位行動の締める割合の実態を調査するため,用いるデータは平日5日間とし,分析に用いる時間帯は9時から15時までとした.なお,5日間の内3日以上データを取得できている対象者のみを分析対象とした.その結果,それぞれの活動の占める割合は,座位行動で55.6±6.3%,低強度身体活動で33.7±5.5%,中高強度身体活動で10.8±2.3%であり,分析時間の360分の内,座位行動時間の平均が約200分,低強度身体活動時間の平均が約121分,中高強度身体活動時間の平均が約39分になることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定では,2019年度の調査からの追跡調査の予定であったが2019年度の調査が不測の事態により実施できず,2020年度も同様の理由により調査の実施が難しい状況であった.
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Strategy for Future Research Activity |
現状は調査実施の目途が立っていない状況といえる.そのため,予定している調査施設の変更を検討することを含め調整を進めている状況である.また,当初予定していた関連要因の抽出調査の実施は実質的に不可能であるため,最終年度の介入内容の検討は先行研究からの関連要因の抽出及び園児の日常の行動などの実態から考えられる要因の抽出により行い,それを元に対象とする保育施設の実態を考慮した上で介入内容を決定する予定である.また,現状を考えると大規模な調査は難しいと考えられるため研究デザインを工夫した上で考案した介入方法の効果の検証を進める予定である.なお,調査の実施が難しい場合には研究期間の延長も視野に入れて計画していく.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた大きな理由は,不測の事態により予定していた調査が実施できなかったためである.本研究は,幼児の身体活動量を評価するための3軸加速度計と座位行動および姿勢変化を評価するための姿勢計を用い調査を進める予定であったが,予定している調査の対象者数や予算総額の関係や現在の社会状況の関係で姿勢計を利用した調査は難しいと感じている.本研究の究極的な目的は,「幼児における身体活動促進方策の構築」であることも踏まえ,今後の使用計画として,実施可能な調査対象の規模にもよるが3軸加速度計の追加購入を進め,その分析ソフトの購入を進める予定である.
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