2019 Fiscal Year Research-status Report
体力・運動能力向上を配慮した小学校ボールゲーム指導プログラムの開発と有効性の検証
Project/Area Number |
19K11628
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
津田 龍佑 金沢医科大学, 一般教育機構, 准教授 (80466648)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 体力づくり / 身体活動量 / 意欲 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,サッカーのミニゲームにおける1人あたりのコートの広さの相違が身体活動量に及ぼす影響を,小学校体育授業を対象に検討することを目的とした.石川県下のO小学校に在籍する6年生の児童16名を対象に4対4のゲームを(実験1),12名の児童を対象に3対3のゲームを(実験2)行わせた.本研究ではそれぞれの人数のゲームにおいて,広いコートと狭いコートの2種類を準備した.ゲーム時間はそれぞれ3分とした. ゲーム1-1:コートの広さ:縦30m×横20m,人数:4対4(75m2)ゲーム1-2:コートの広さ:縦20m×横15m,人数:4対4(37.5m2)ゲーム2-1:コートの広さ:縦30m×横20m,人数:3対3(100m2)ゲーム2-2:コートの広さ:縦20m×横15m,人数:3対3(50m2) 対象児童にGPS(S&C社,Fieldwiz)を装着させ,ゲーム中の走行距離および各移動速度での走行距離を測定した.また,ゲーム終了後に技術・戦術面,体力面,心理面に対する質問紙調査を実施した. その結果,ゲーム中の走行距離(全体)および中~高強度の走行距離は,30m×20mのコートが20m×15mのコートと比較して有意に高値を示した.また,質問紙調査の結果,質問項目「楽しくゲームを行うことができましたか」において,いずれのゲームでおいても肯定的に回答した児童が8割を超えていた.さらに,ゲーム中の走行距離と体力テストの合計点との関係をみると,4対4では有意な正の相関関係が認められたものの,3対3ではそのような関係はみられなかった. 以上より,同じ少人数のゲームであっても1人あたりのコートの広さを大きくすることにより,児童の関心を損なわずに体力つくりに対する効果を期待できると考えられる.また,3対3のゲームでは児童は実質的にゲームに参加せざるを得ない状況になることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は3年間をとおして実施する予定である.1年目は,サッカーのゲームにおける1人あたりのコートの広さの相違が身体活動量に及ぼす影響を,小学校体育授業を対象に検討した.現在は,その研究成果を整理している段階である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,1年目に検証した成果を踏まえて,研究を遂行する予定である.今年度は,1年目に検証した教材を単元計画の中に組み込んだ指導プログラムを開発するとともに,その指導プログラムの効果を検証する予定である.しかし,新型コロナウィルスの拡大により,学校現場が休校になっており,再開の見通しが立たない状況である.そのため,研究の進行が遅れる可能性が大きい.そのような状況下においても,研究課題1を整理し,その成果をもとに論文作成・投稿すること,有効な指導プログラム考案のために文献研究を進めること,などを予定している.
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Causes of Carryover |
この理由として,介入する1クラスの人数が想定より少なかったことがあげられる.本研究では,GPSを1人に1台装着させ,体育授業中の身体活動量を測定している.対象とする学校の学年やクラスにより児童数の増減があり,今年度は児童の増加が見込まれている.増加する児童数に応じて,GPSを追加で数台購入することを検討している.
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