2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of teaching materials in the field of ball games incorporating the viewpoint of physical contact in goal type on school physical education class
Project/Area Number |
19K11630
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
廣瀬 勝弘 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (00347080)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 学校体育 / 教材開発 / ボールゲーム / 身体接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、校種を越えた12年間の指導するべき領域内容の系統性が提示された学校体育・ボールゲーム系領域ゴール型(陣取りゲーム)を対象として、校種を円滑に繋ぐためのカリキュラムづくりに必須となるであろう、身体接触に関わる学習課題に焦点をあて、教材開発を行うことを目的とする。2017年、改訂小学校学習指導要領解説体育編・中学校学習指導要領解説保健体育編が、それぞれ公示された。その中で、特筆に値することは、ボールゲーム系領域ゴール型において、中学校での「陣取りゲームの取り扱い(タグラグビー)」が初めて可能になったことである。このことは、ゴール型・陣取りゲームの内容として、これまでの小学校(タグラグビー)・高校(ラグビー)を繋ぐための「空白部分の補填」を意味する。この補填解消には、当該する指導内容・方法の検討、ならびにカリキュラムづくりの指針提示は急務な課題であると考えられる。そこで本研究では、生徒自身が「自らの身体を知ること(身体知の構築)」の習得を目ざし、身体接触の視点を取り入れた中学校保健体育科球技領域での教材開発を行うことが具体的な目的となる。令和元年度は、身体接触の視点を取り入れた球技領域の中学校保健体育科のゲーム教材の開発の実施を目指した。まず、小学校・中学校・高等学校の各学習指導要領解説に含まれるボールゲーム系学習の箇所を対象として、当該内容の確認を通して12年間のカリキュラム試案の提示を行った。加えて、学習指導要領解説における、身体接触の学習に関する内容について検討を行った。ゲーム教材開発に向けたプレ教材設定のため、ボールゲーム系学習における身体接触の学習に関する先行研究を概観し、プレ教材の設定及び(仮)配列を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の当初の実施計画では、令和元年度は身体接触の視点を取り入れた球技領域の中学校保健体育科のゲーム教材開発の実施を目指し、プレ教材を教育現場で有効に活用できるように、1)教育現場の実態の把握、2)プレ教材の改良、3)指導計画の立案、4)学習指導案の作成を順次行うとしていた。しかしながら、教育現場の実態把握のための教員・指導主事を対象とするヒアリング調査が、当初の計画通りに進めることができず、プレ教材設定の基礎資料作成に遅れを生じさせる結果となった。そこで、プレ教材設定に不可避である指導計画立案のための12年間(小・中・高校)のカリキュラム試案の提示を行った。加えて、プレ教材設定のため、ボールゲーム系学習における身体接触の学習に関する先行研究を概観し、プレ教材の設定に向けた検討及び(仮)配列を実施した。 カリキュラム試案の提示では、先行研究及び授業実践を詳細に検討することを通して、校種別に目標となるゲーム課題(様相)を規定し、攻撃・防御の各学習者に不可欠な運動学習(運動経過のレベル)及び求められる身体知を位置づけることができた。また、プレ教材の設定を目指したボールゲーム系学習における身体接触の学習に関する先行研究の概観を通して、学習者に必須である身体操作を位置づけることができた(①常に〈立ち姿勢〉で実施すること②相手のゴールラインに対して〈常に正対〉すること③相手の〈正面〉に立たないこと)。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、前年度、円滑に進めることができなかった内容を包含し、第一次として、身体接触の視点を取り入れた球技領域の中学校保健体育科のゲーム教材の開発の実施、第二次として、開発したゲーム教材の検証を順次実施することとする。なお、研究計画の詳細は、下記の通りである。 【令和2年度(第一次)】目的;身体接触の視点を取り入れた保健体育科球技領域の教材開発。1)教育現場の実態の把握(4~8月):中学校保健体育科教員、教育委員会等の指導主事へのアンケート調査及びヒアリング調査を行い、実態を把握するとともに、プレ教材の設定検討を行う。2)プレ教材の改良(9~10月):設定したプレ教材に関して、「身体接触」を含む安全性の確保という観点から改良を加える。3)指導計画の立案・学習指導案の作成(11~12月)。【令和2年度(第二次)】目的;教材開発の有効性の検証。1)教育現場での実施(12~3月):附属学校などの協力を得て、実際の教育現場で開発した教材を使った授業を行う。可能であれば、附属学校以外、複数の学校で実施も行う。2)開発教材の有効性の検討(2~3月):①ゲーム課題に関する理解、②ゲーム課題の習熟度、③開発ゲーム課題を活用した授業における学習者の反応、の3つの視点から行う。①は学習者のゲーム 認知テスト、②は評価基準を設定し学習者の目標達成への有無、③は授業後のアンケート調査の分析により行うこととする。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、家庭内において介護を要する事態が発生し、当初計画を変更せざるを得ない状況に陥ったためである。令和2年度は、前年度、円滑に進めることができなかった内容を包含し、第一次として、身体接触の視点を取り入れた球技領域の中学校保健体育科のゲーム教材の開発の実施、第二次として、開発したゲーム教材の検証を順次実施することとする。
|
Research Products
(2 results)