2020 Fiscal Year Research-status Report
スポーツのインテグリティを実現するスポーツ倫理教育プログラムの開発
Project/Area Number |
19K11631
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
梅垣 明美 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (00389660)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スポーツ倫理 / チームづくり / 規範意識 / フェアプレイ / 共生 / 体育理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,第1に,新たなスポーツ規範を創造すること,第2に,新たなスポーツ規範に基づくスポーツ倫理教育プログラムを開発し,その効果を検証することを目的とした.スポーツ倫理教育プログラムの条件として,対人倫理であるスポーツマンシップを超える新たなスポーツ規範を創造すること,および,Education2030で求められる能力の育成を目指すことを掲げた. 2020年度の研究計画は,開発したスポーツ倫理教育プログラムを体育授業に適用し,その効果を検証することであった.具体的には,2つの中学校の体育授業を対象に2つのスポーツ倫理教育プログラムを実施した. 第1に,中学校第1学年の男女共習によるダンス授業を対象に,集団内での行動倫理を育成するチームづくりプログラム(ASKSモデル)を実施した.先行研究では,ASKSモデルの効果として,このモデルが生徒の社会的スキルを高めることが明らかにされている.本研究では,ASKSモデルが情動的知能に与える影響につて調査した.第2に,中学校第3学年女子の体育授業を対象に,スポーツにおける真のアスリートのあり方を考える授業と,スポーツにおける共生を考える授業を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により,2020年3月から2020年5月頃まで,緊急事態宣言が出され,小中高等学校が休校となった.その後もCOVID-19の影響下,学校現場を対象に,スポーツ倫理教育プログラムを実践することが難しかった.そのため,開発したスポーツ倫理教育プログラムの体育授業への適用時期が計画よりも若干遅れた.授業研究への協力がなかなか得られない中,2つの中学校の学校長から許可を頂き,スポーツ倫理教育プログラムを実施することができた.一つの中学校では.「『スポーツにおける共生を考える』という授業を行いました」というコメントが授業写真とともにHPに掲載され,保護者並びに地域社会にアピールをしていただいた.授業の実施が2学期末,あるいは,3学期末であったため,2020年度中に,収集したデータの分析まで行うことができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究計画は,開発したスポーツ倫理教育プログラムを広範囲にわたって体育授業に適用することである.しかしながら,COVID-19の影響により,2020年度のスポーツ倫理教育プログラムの実施と効果検証が遅れており,若干計画を変更する予定である.2021年度は具体的に以下を実施する. 第1に,2020年度に収集したデータの分析,および,成果発表を行う.第2に,2020年度に収集したデータの分析を行い,開発したスポーツ倫理教育プログラムをグレードアップするため修正を加える.第3に,新たに開発したスポーツ倫理教育プログラムのマニュアルを作成し,誰もが簡単に実践できるように整える.
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Causes of Carryover |
次年度は,以下に使用する. 第1に,学会発表のための旅費として使用する.2020年度は,COVID-19の影響により,移動が規制され,国内外での学会発表のための旅費に未使用が発生した.2021年度は,積極的に国内外での学会発表を行う.第2に,データ保存用のノートPC(2台)を購入する.研究計画の若干の遅れが生じており,2020年度に収集したデータ保存とその分析を早急に進める必要がある.そのため,2台のノートPCを購入し作業をすすめる.第3に,スポーツ倫理教育プログラムのマニュアルを冊子体にして発行する.
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Research Products
(5 results)