2020 Fiscal Year Research-status Report
小児の脂肪性肝炎発症におけるセルロプラスミン関連遺伝子の関与
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19K11638
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田川 学 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50714606)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小児 / 肥満症 / 脂肪性肝疾患 / 遺伝子 / セルロプラスミン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小児の肥満症・脂肪性肝疾患患者にみられる特異な血液検査異常と、遺伝子異常との関連を検討することを目的としている。生活習慣病と思われている小児の肥満症や脂肪性肝疾患患者のなかに、遺伝子の異常が関与している新たな疾患群が含まれているかもしれない。研究期間の2年目は、研究対象候補者への研究説明と同意取得を継続し、実験系を確立することを目標とした。実際に解析をすすめているところである。 現時点までに研究に同意され、解析した対象者においては、予想された遺伝子異常は検出されていない。特異な血液検査異常はこれらの遺伝子異常によらない、別の機序によって説明される可能性がある。しかし、脂肪性肝疾患と思われていた患者の原因が、他の遺伝性疾患である可能性が見いだされるなど、小児における肝疾患においては、遺伝子検査の重要性が示唆され、現在この解析を合わせておこなっているところである。 また、副研究としての生化学的な検討も同時に進めているが、こちらは順調にデータが蓄積されている。3年目もひきつづき検体採取を進めつつ、最終的な解析する予定である。 コロナウイルス感染禍のため、外来を受診できていない対象候補者がいるため(電話再診などで実際に受診していない)、対象候補の一部の患者へ研究説明が出来ていない。コロナウイルス感染禍が続いており、次の受診がもうすこし先送りされることが予想され、一部の検体の解析は遅くなる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス感染拡大防止対策のため、患者さんの外来受診が延期されるなど、対象症例の一部における検体採取(特に保護者の検体採取)が遅れているが、採取できた対象者の解析実験は、一部で終了している。引き続き対象候補者への研究協力依頼と、解析を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
実験系は確立したため、検体採取ができれば解析は比較的短時間で終わると予想される。しかし、現時点ではコロナウイルス感染拡大防止のために保護者の受診まではままならず、家系の解析ではなく、患者のみの解析となる可能性があるが、研究目的は達成できると思われる。
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Causes of Carryover |
報告書本文に記載したとおり、コロナウイルス感染禍のため、まだ検体採取をおこなえていない対象者がいる。これらの対象者の解析に必要な試薬等の購入費用は次年度予算に含めていなかったため、2年目の予算のうち、今後の解析にかかる費用を計画的に残しておいた。これらの使用額は、実験解析のための試薬購入等に用いる予定である。
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Research Products
(2 results)