2022 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣病に合併する肝癌の早期診断マーカーの開発:血中細胞外小胞の解析
Project/Area Number |
19K11640
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山口 奈津 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40450671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 一成 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60634756)
田邉 剛 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80260678)
中上 裕有樹 下関市立大学, 経済学研究科, 准教授 (30843304)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝がん / 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肝癌識別能が高く、かつ侵襲性の低い早期診断マーカーを開発するため、血中細胞外小胞において肝癌特異的に高発現するタンパク質を明らかにすることを目的としている。細胞外小胞を血液から分離する方法については、様々なキットが開発されているものの、スタンダードとなる方法はいまだ確立していない。本研究の研究協力者が開発した新たな調整法は、細胞外小胞を凝集させずに分離することにより、従来法よりもはるかに正確なEVのデータを得ることができる。この調整法を参考に、Hepatocellular carcinoma由来の肝癌由来細胞株としてHuh-7を、非がん細胞株としてOUMS-36等を用い、培養上清から細胞外小胞を精製する条件の検討を進めた。今後、精製して得られた細胞外小胞を用いて、質量分析法により発現タンパク質の解析を行い、肝がん由来細胞株で高発現するタンパク質をマーカー候補として同定する予定である。 一方、臨床検体を用いた解析では、既に入手済みの検体を用いて、糖尿病症例および肝癌症例の血中細胞外小胞について、候補タンパク質の発現解析を行う予定としている。これに加えて、糖尿病を対照症例とする本研究において肝癌症例の血中細胞外小胞に特異的に発現するタンパク質を明らかにする上で重要であることから、非癌非糖尿病症例と糖尿病症例を比較できる血液検体を入手するため、当該コホート研究の検体収集に全面的に参画した。検体処理、管理、各種検査依頼までの一連のプロセスの立ち上げおよび実施業務を1年半にわたり行ったところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究に有用な検体を入手するため、2021年度に引き続きコホート研究の検体収集に全面的に参画した。2検体収集に関連する業務が増えたため、細胞レベルの解析に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度末より携わっているコホートの研究の検体収集は、2022年度後半に終了した。2023年度は、細胞レベルの解析も進めていく。肝癌由来細胞株、ヒト正常細胞株(不死化線維芽細胞等)、ヒトiPS細胞由来肝細胞の培養上清から細胞外小胞を調整し、発現タンパク質について質量分析法により肝癌由来細胞株で高発現するタンパク質を明らかにする。また、他癌細胞株、非癌細胞株の培養上清から調製した細胞外小胞における候補タンパク質の発現をイムノブロット法により解析し、肝癌細胞の培養上清から得られた細胞外小胞と比較することにより、肝癌で特異的に発現する分子かどうかを確認する。このようにして同定した候補タンパク質の肝癌識別能について、臨床検体を用いた検証を行う。
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Causes of Carryover |
2020年度末より他のコホート研究の検体収集に全面的に参画しており、これに関連する業務が増えたため、細胞レベルの解析に遅れが生じた。今年度行う予定だった実験を次年度に行うため、次年度使用が生じた。
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