2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the development causes of type 2 diabetes for Asian
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19K11643
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
伊達 紫 宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 教授 (70381100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋枝 さやか 宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 准教授 (20549076)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 軟らかい食物 / インスリン抵抗性 / 2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
飽食の時代と言われる現代の日本では、過食や運動不足による肥満症の増加が大きな社会問題となっており、生活習慣の見直しが喫緊の課題と考えられる。申請者はこれまでに、過食、偏食、早食いなどの食習慣の中で、食物の性状に着目して研究を進めてきた。興味深いことに、普通食に水を加え軟らかい性状にした食餌(軟食)をラットに与えたところ、固形食を与えたラットに比べ、体重に差を認めないものの、糖尿病や脂肪肝といった生活習慣病を呈することが明らかになった。 軟食摂取ラットでは、摂取4週間で膵ラ氏島の過形成および糖負荷15分後のインスリン値の有意な上昇を認めた。また、摂餌中から摂餌後1時間にかけて、血糖値とインスリン値をモニターしたところ、軟食摂取ラットでは、インスリン値が持続的に高値であった。さらに、同ラットの肝臓では、肝細胞のバルーニングが起こっており、中性脂肪含量や脂肪酸合成酵素の発現が増加傾向にあった。腹部CT検査では、皮下脂肪および内臓脂肪の増加が認められ、組織学的にも脂肪細胞の肥大化が認められた。内臓脂肪では、脂肪酸合成が亢進し、MAPKを介した慢性炎症も確認された。このように、4週間という短期間の軟食摂取でも、インスリン抵抗性や内臓脂肪の慢性炎症が誘導されており、食物の性状が引き起こす生体制御機構の破綻が明らかになった。さらに、軟食ラットの視床下部でも、内臓脂肪同様にMCP1発現が有意に増加しており、摂食抑制やエネルギー消費に関連するCARTおよびPOMCの発現が有意に低下していた。これらの結果は、軟食摂取により誘導された腸管や肝臓での代謝異常を示す何らかのメディエーターが、神経系や血液循環など通じて中枢にも伝達された可能性を示唆するものでと考えられた。 本研究により、食物の性状の変化が生活習慣病の重要な因子となることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Angiopoietin-like growth factor involved in leptin signaling in the hypothalamus.2021
Author(s)
Jang Y, Heo J, Lee M, Zhu J, Seo C, Go D, Yoon S, Date Y, Oike Y, Sohn J-W, Shong M, Kweon G
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Journal Title
International journal of molecular sciences
Volume: 22
Pages: 3443
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research