2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on the changes of flavonoid content by cooking procedure and the antioxidant biomarkers in human after ingestion of flavonoid for utilizing food functionality.
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19K11645
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
市川 陽子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50269495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 尚子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (20825004)
下位 香代子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 客員教授 (10162728)
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フラボノイド / 機能性活用 / 生体内炎症マーカー / ヒト試験 / 食事摂取 / 調理方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品の保健機能性とその生理活性作用の研究が盛んに行われ、疾病予防への効果が期待されている。機能性食品の市場拡大、サプリメント等の消費増大が進むなか、それらの長期間、高濃度摂取での安全性、有効性、他の栄養素との相互作用についての知見は十分ではなく、安全な日常の食事からの機能性成分摂取の有効性の検証が求められる。また、国は「健康な食事」の普及や、これを含む企業の「健康経営」に力を入れてきている。本研究は、慢性代謝疾患を予防する食品機能性を活用した健康的な食事を提案・推奨するための科学的根拠の蓄積を目的に、食品、食事の調理方法別のフラボノイド含有量、総ポリフェノール量、抗酸化活性の変化について評価・整理する。さらに、開発したフラボノイド低減食(Biosci. Biotechnol. Biochem., 2014、日栄・食糧会誌, 2012)と高フラボノイド食を用いた吸収動態試験、小規模ヒト介入試験により、短期継続摂取後の炎症性サイトカイン遺伝子(IL-1β、IL-6、TNF-α等)の発現を指標とした疾病リスク低減効果の判定を行うものである。 令和2年度は、ヒト介入試験を本格的に進め、①調理方法別に食品の単体摂取後の吸収動態の検討、②高フラボノイド食の継続摂取による生体内抗炎症効果の検討を準備していたが、COVID-19感染症拡大防止のための学内事情、また実施にあたって中心的な役割を担う研究協力者の健康問題により、学外被験者の募集と試験の実施に支障をきたすこととなった。そのため、これまでの研究成果についての原著論文(受理・公開1件、投稿中1件)、総説(投稿中1件)の執筆・投稿を行うとともに、令和3年度に実施するヒト試験の研究計画について、あらためて研究倫理審査を受けるなどの準備を行ってきた。さらに、食品別・調理方法別のフラボノイド量の実測(4食品×4調理方法および生)を行い、現在そのデータを整理している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は、ヒト介入試験によって、調理方法別に食品単体摂取後の吸収動態の検討をさらに進めるとともに、開発を続けている高フラボノイド食の短期、中期継続摂取による生体内抗炎症効果の検討を予定していた。特に、生体内抗炎症効果の検証試験については、軽度肥満者や喫煙者を被験者として、学外も含めて募集する予定であった。しかし、COVID-19の感染症拡大防止のため、目的に合った被験者を広く募集することができなかった。加えて、ヒト介入試験において中心的な役割を担う予定の研究協力者の健康問題により、研究の遂行に支障をきたした。代わってこれまでの研究成果についての原著論文(受理・公開1件、投稿中1件)、総説(投稿中1件)の執筆と、食品別・調理方法別のフラボノイド量の実測を進めることができたが、主たる研究の進捗は遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染状況と終息時期に関しては先行き不透明であるが、ヒト介入試験実施における感染症対策の体制は整えてきた。現在、感染症防止にさらに配慮しながら、ヒト介入試験を実施できるように準備を進めている。また、研究協力者を別に立て、新しい研究計画については研究倫理審査委員会の審査を受けているところである。 また、食材別・調理法別のフラボノイド量、総ポリフェノール量、抗酸化活性の変化について、新規食品の選定と、近年外食や給食で普及している新しい調理方法(スチームコンベクションオーブンを用いた各種調理方法)を決定し、6月より測定、データの収集を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度は、COVID-19感染症拡大防止のための学内事情、研究協力者の健康問題によりヒト試験の実施計画が遅延した。これに係る被験者、採血担当者への謝金、血中バイオマーカー測定に係る業務委託費については、令和3年度に延期したヒト試験遂行のために計画的に繰越すこととした。
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