2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the changes of flavonoid content by cooking procedure and the antioxidant biomarkers in human after ingestion of flavonoid for utilizing food functionality.
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19K11645
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
市川 陽子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50269495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 尚子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (20825004)
下位 香代子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 客員教授 (10162728)
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 特任教授 (70195923)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フラボノイド / 調理変化 / ヒト試験 / 生体内炎症指標 / 機能性活用 / 高フラボノイド食 / 食事 / 生体内炎症マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性代謝疾患を予防する食品機能性を活用した健康的な食事を提案・推奨するための科学的根拠の蓄積を目的としたものである。2021年度は、(1)食材別・調理法別のフラボノイド含有量、総ポリフェノール量、抗酸化活性の変化を検討し、(2)高フラボノイド食の短期継続摂取後の疾病リスク低減効果について炎症性サイトカイン遺伝子の発現を指標としたこれまでのヒト介入試験の結果解析により評価した。 (1)では、フラボノイド含有量が比較的高い玉ねぎ、大豆(水煮)、黒豆(水戻し)、木綿豆腐の4食材を対象とした。また近年、給食施設や飲食店等の業務用厨房では、加熱調理機器としてスチームコンベクションオーブン(スチコン)が普及している。そこで、スチコンを使用した焼き、炒め、蒸し、煮の調理後のフラボノイド含有量等を測定し、スチコンの各種調理による変化について検証した。その結果、スチコン調理の煮では、多くの食材で生と比較してフラボノイド含有量、総ポリフェノール量、抗酸化活性の有意な減少がみられ、煮汁からの検出も確認された。一方、豆腐の焼き、蒸しではフラボノイド含有量および抗酸化活性が有意に増加した。 (2)では、男性(26-50歳、BMI:21.0-32.6 kg/m^2)7名を被験者とし、2日間のウォッシュアウト後、高フラボノイド食またはフラボノイド低減食(対照)を7日間摂取させた。試験はクロスオーバーにて実施し、ウォッシュアウト後および7日間の継続摂取後に採血を行った結果、高フラボノイド食摂取前により血中フラボノイド濃度の有意な上昇がみられた。また、BMI≧25 kg/m^2の被験者3名において、高フラボノイド食摂取時の炎症性サイトカイン遺伝子の発現量が介入後に有意に低下した。この結果より、生体内で慢性的な炎症が起きている可能性の高い肥満者において、高フラボノイド食が抗炎症効果を示したと考えられた。
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