2021 Fiscal Year Annual Research Report
フレイルの悪循環サイクルにおける筋肉量減少とうま味感受性障害についての基礎的研究
Project/Area Number |
19K11647
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
中道 敦子 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20567341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
石川 由美 (星野由美) 大阪歯科大学, 医療保健学部, 准教授 (60457314)
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10285463)
本田 尚郁 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10840085)
松原 琢磨 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (00423137)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨格筋量 / うま味感受性 / 骨格筋指数 / 食事摂取量 / 若年女性 / フレイルサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
新型感染症の影響によりヒトを対象とした調査が健康な若年女性93名に限定された。体組成についてはInbody470を用いて計測した。うま味感受性検査は、感染リスク軽減のため吐き戻しを行わない全口腔法日大方式により、L-グルタミン酸ナトリウム水和物(MSG)の各濃度1ml入りディスポーザブルシリンジで行った。食事摂取調査は簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用いた。 骨格筋量の減少について、味覚障害から食事摂取量の減少と低栄養へのベクトルを確認するため、骨格筋指数(SMI)三分位におけるSMI低値群(31名)とSMI高値群(31名)の2群間で検討した。その結果、たんぱく質とn-3系脂肪酸の摂取量がSMI低値群で有意に少なく、炭水化物摂取量が多かった。食品では、たまご、大豆製品、とうふ・油揚げ、納豆の摂取量がSMI低値群で有意に少なく、主食、めしが多かった。うま味感受性は、SMI2群間に有意差がなかったことから、骨格筋量の減少(多少)との関連は確認できなかった。加えて、本対象者のうま味認知濃度は、先行研究Pfaffannや山口の報告(0.018~0.025%)より低かった(0.015% )ことから、うま味感受性低下の食事摂取量への影響も考えられなかった。 本対象者ではサルコペニア診断基準SMI5.7kg/m2の者が44.1%あった。健康な若年女性は、痩身願望のような、フレイルサイクルとは別の要因で食事摂取状況が偏り骨格筋量の減少に繋がっていることなどが想定され、本研究仮説の検証には至らなかったと考える。 マウス筋芽細胞を用いた実験では、代表的なうま味物質であるイノシン酸(IMP)の添加は筋分化を劇的に増加させた。この筋分化促進効果には Tas1r1とTas1r3の発現が必要であった。 今後の研究では、対象年齢の検討、イノシン酸を用いたうま味感受性検査の検討を行う。
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