2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanism to detect neutral fat in food and maintain homeostasis-Search for lifestyle-related disease improvement method
Project/Area Number |
19K11655
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Research Institution | Gihu University of Medical Science |
Principal Investigator |
金子 葉子 岐阜医療科学大学, 薬学部, 教授 (20319263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 弘 藤田医科大学, 医学部, 教授 (30420384)
小谷 侑 藤田医科大学, 医学部, 講師 (60644622)
河田 美穂 藤田医科大学, 医学部, 助教 (90761601)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | TNF受容体 / 2型糖尿病 / インスリン / HOMA-IRインデックス / インスリン受容体 / IRS-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病は多因子疾患であり、複数の遺伝的素因と環境要因が重なることにより発症する。原因として過食による肥満、高脂肪食(HFD)の摂取、運動不足が挙げ られる。脂肪細胞がアディポカインと呼ばれる様々な生理活性物質を分泌することが明らかになり、それらの1つであるTNF-αは、インスリン抵抗性の発症に関与していると考えられる。 TNF-α受容体には2つのサブタイプがある。この研究ではtype I TNF受容体欠損マウス(R1-KO)、type II TNF受容体欠損マウス(R2-KO)、両受容体欠損マウス(D-KO)およびC57BL/6(WT)を通常食またはHFDで飼育し、接種したカロリー、体重の変化を8週間測定した。血中のトリグリセリド、グルコース、インスリンの濃度を測定した。インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRインデックスから、D-KOはHFDのみならず通常食の飼育においてもインスリン抵抗性の状態にあることが判明した。これらのデータは、TNF受容体サブタイプに応じてインスリン抵抗性の発症に違いがあることを示唆している。そこで、インスリン受容体のシグナル伝達について解析した。インスリン受容体は、インスリンとインスリン様成長因子によって活性化される膜貫通タンパク質受容体で、受容体型チロシンキナーゼである。自己リン酸化されるとともに、IRSやShcなどの基質タンパク質をリン酸化する。リン酸化された基質タンパク質は、PI3K-Akt経路などの下流のシグナル伝達分子と結合することにより、インスリンの代謝作用や増殖作用などが発現される。IRS-1のSer307のリン酸化を解析したところ、通常食でもインスリン抵抗性が認められたD-KOでは、IRS-1のリン酸化が認められ、インスリン受容体にインスリンが結合した際のシグナルが細胞内に伝えられていない可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)