2019 Fiscal Year Research-status Report
働き方改革実現に寄与する「勤労者のための健康増進プログラム」開発
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19K11657
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
長幡 友実 東海学園大学, 健康栄養学部, 准教授 (40512512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 美詠子 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (30236012)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 野菜の栽培 / メンタルヘルス / 野菜摂取量 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、平成28年度~令和元年度に実施した科研費助成事業(若手研究(B))において、「野菜の栽培」が健康に与える影響を検討した。具体的には、ある職場において事務職員である20~50歳代の男女約30名に約3ヶ月間、ミニトマト(1人1株)を栽培していただき、介入(栽培)前後で食物摂取頻度調査と食習慣アンケートを実施した。その結果、栽培前後で食事調査を実施したところ、緑黄色野菜の摂取回数が増加していた(朝食:1.92±2.56回→2.14±2.43回、昼食:4.00±1.93回→4.17±1.97回、夕食:4.79±1.66回→4.86±1.92回、いずれも平均値±標準偏差)。その他の野菜においても、同様に栽培前後で摂取量が増加していた。また、栽培前後で野菜を食べようと心掛けている人も増加していた(カイ二乗検定, p=0.001)。 これらの結果から、「野菜の栽培」は野菜摂取量や野菜摂取に対する意識を変化させる可能性が示唆された。そのメカニズムを検討するため、本研究では「野菜の栽培」がメンタルヘルスに及ぼす影響を検討する。研究初年度である令和元年度には、野菜摂取量に関連するメンタルヘルス指標についての文献を収集し、研究分担者とともに野菜の栽培がメンタルに及ぼす影響を検討するための質問紙作成を行った。さらに、その質問紙を用い、市民農園の利用者(「野菜の栽培」をこれから開始する地域住民)約80名に対し、作成した質問紙を用いた調査を実施した。集合法にて調査の目的等を説明し、約1か月間の調査票回収期間を設けたところ、約60件の調査票が回収された。 令和2年度は、そのデータ解析を行い、メンタルヘルス評価指標の妥当性検討と行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は研究1年目であるが、研究当初の予定通り、研究1~2年目に実施する内容の一部であるメンタルヘルス評価項目の検討を行い、作成した項目を含む質問紙を用いて地域住民約50名に対し集合法で調査を実施した。令和2年4月に調査票の回収が終了したため、今後、データ入力・解析を行い、作成した調査票の妥当性検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、令和元年度に実施した調査のデータ解析を行い、調査票の妥当性検討を行う。並行して、汎用性の高い野菜の栽培方法(室内栽培等の手軽にできる栽培方法)の検討を行う。令和元年度にはプレテストとして、事務系職員の対象者10名に、室内においてミニトマトの水耕栽培を行ってもらった。その結果、ミニトマトの生育状況は個体差が大きく、水耕栽培で野菜を育てることの困難さを実感した。今年度はミニトマト以外の野菜を用いることを検討し、また、栽培環境の検討を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度中に物品の購入が間に合わず、物品費を使用することができなかった。また、アルバイトの方に調査データ入力をお願いする予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でお願いすることができなくなってしまい、人件費を使用することができなかった。未使用額は、次年度使用したいと考えている。
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