2023 Fiscal Year Annual Research Report
働き方改革実現に寄与する「勤労者のための健康増進プログラム」開発
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19K11657
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
長幡 友実 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40512512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 美詠子 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (30236012)
中出 美代 東海学園大学, 健康栄養学部, 教授 (80352855)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 野菜の栽培 / メンタルヘルス / 野菜摂取量 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人の野菜摂取量は目標値に足りていない状況が続いており、生活習慣病予防の観点から野菜摂取量の増加を目指している。本研究は、勤労世代の「野菜の栽培活動」が野菜摂取量を増加させ、さらに、メンタルヘルスにも良い影響をもたすと仮説を立て、令和元年~令和4年度までの4年間の研究計画を立案した。しかし、新型コロナ感染症の蔓延により調査を計画通りに実施することができなかったことから、研究期間を1年延長し5年間で研究を実施した。 研究1年目(令和元年度)には、研究分担者ととともに野菜の栽培がメンタルヘルスに及ぼす影響を検討するための調査票を作成した。研究2~4年目(令和2~4年度)は、名古屋市の市民農園利用者(各年度約80名、合計のべ240名)を対象とし、栽培活動前後(各年度4月と3月)に自記式質問紙調査を実施し、令和5年度にはデータ解析を行った。栽培活動前142件(回収率59.2%)、栽培活動後142件(回収率59.2%)の調査票が回収された。栽培活動前の調査において勤務状況に関して回答のあった者(勤労者78名、非勤労者59名)を解析対象とし、栽培活動前後のメンタルヘルスの状況や野菜摂取行動に関する自己効力感を評価した。なお、前者はWHOにより開発されたWHO-5精神健康状態表簡易版(S-WHO-5-J)、後者は串田らにより開発された野菜摂取行動に関する自己効力感尺度を用いた。各尺度得点の比較を行った。 勤労者・非勤労者ともに、S-WHO-5-J尺度得点は栽培活動前と比較して栽培活動後で高くなる傾向にあったが、有意差はみとめられなかった。また、野菜摂取行動に関する自己効力感尺度得点は、勤労者・非勤労者ともに、栽培活動前と比較して活動後においてが高まる傾向にあったが、勤労者では、有意に高まっていた。この結果から、勤労者の野菜の栽培活動は精神面に良い影響を与える可能性が示唆された。
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