2019 Fiscal Year Research-status Report
Noninvasive Detection method of Anaerobic Threshold using Digital Plethysmo Graphy
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19K11669
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
富永 広貴 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10258387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 裕一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (50530185)
一ノ瀬 浩幸 佐賀大学, 医学部, 教務職員 (10232406)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 無酸素性代謝閾値 / 指尖容積脈波 / 非侵襲的測定法 / Wavelet変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病,高血圧症,脂質異常症の予防と治療のための最適な運動強度とされ,運動を行 う際にその値を正確に知っておくことは,非常に効果的であるAT(無酸素性代謝閾値)は,運動の強さを増していくとき,筋肉のエネルギー消費に必要な酸素供給が追いつかなくなり, 血液中の乳酸が急激に増加し始める強度の値であるが,正確に測定する為には高価で大掛かりな装置を必要とする。フォトダイオードを使用して指尖における血液の容積変動を捉えるDPG(光学式指尖容積脈波)は,センサーを皮膚に当てるだけという非侵襲的で簡易な測定法と して広く使われている。この研究の目的は,DPGで得られる血流量変動の時系列情報を利用してATを非侵襲的で簡易に検出する手法の開発とそのメカニズムの解明を目指している。 今年度は,2019年3から4月に成人男子30名に対して実施した運動負荷試験のデータ解析を行った。DPGの時系列信号の解析法の開発を目指して,試行錯誤したが,局所的な時間範囲で指尖容積脈波の振動数と振幅の情報を捉える事が出来るWavelet変換と変換後の時系列の移動平均を取ることでAT近辺での変化をグラフにおけるプラトーとして見出す事で出来た。しかしこれはまだ,第一段階の結果であり,今後,更なる検証が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
30名以上に対する運動負荷試験を実施し,データ解析手法として,新たにWavelet変換+移動平均を考案し,そのグラフにおいてATはプラトーとして現れる事を発見した。但し,この結果は,もう少し詳細に検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今回行った運動負荷試験の実験プロトコルでは,Wavelet変換+移動平均の手法が本当に使えるのかどうか結論を出すには不十分であった。そこで,今後は負荷増大速度を落とした実験プロトコルでの運動負荷試験の実施を行い,この手法の正当性の検証を行う予定である。 同時に,測定装置のノイズ対策と測定プログラムの機能向上を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスのパンデミックにより,2020年3月に数十人規模で計画していた運動負荷試験の実施が不可能になったためであり,今後,パンデミック終息の状況を見ながら今回実施できなかった運動負荷試験を実施する予定である。
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