2021 Fiscal Year Research-status Report
葉酸関連遺伝子多型別栄養介入による健康づくり支援の有効性:開始15年目の追跡調査
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19K11672
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
福島 真実 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (30286885)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 葉酸 / テーラーメイド栄養 / ホモシステイン / 遺伝子多型 / 健康づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
さかど葉酸プロジェクトは、葉酸に注目した地域住民の健康づくり支援活動であり、遺伝子多型に基づき、体質を考慮したテーラーメイド栄養指導を行っている点が極めて特徴的な取り組みである。すでに10年以上実践を積み重ねており、遺伝子検査結果を伝えることが行動変容の動機付けとして有効であることが示された。本研究では、こうした活動の生活習慣病予防に対する有効性を検証するため、介入15年後を最長としたフォローアップ講座を実施することが目的である。 COVID-19の影響により、対象者と対面で行うフォローアップ講座の開催は延期となった。そこで、アンケート調査(郵送による質問紙法、2021年8月~9月実施)によりこれまでの講習会参加者の健康状態や食生活等の状況を確認した。2006~2018年度の講習会参加者756名のうち468人から有効回答が得られた。「この講座を受講したこと」をよかった、おおむねよかったとした者は93.6%であった。葉酸に関する「自身の遺伝子型をおぼえているか」の質問では、「はい」が43.4%、「いいえ」が46.9%でありほぼ同程度であった。「はい」と回答した者では遺伝子型について、日ごろから意識している者は44.7%、知ってよかったと思う者は86.5%、知ることは食生活改善のきっかけとなった者が73.6%であった。一方全体でも現在みどり色野菜を食べることを意識している者は93.0%、葉酸摂取を意識している者は83.1%であり、葉酸に対する意識が浸透していることがうかがわれた。健康状態に関する質問において「毎日の生活に満足している」者は、コロナ禍以前では93%であったが、コロナ禍以降~現在では50%と大きく減少した。地域活動への参加や、週1回以上の外出、家族や友人とのつきあいにおいても、コロナ禍以降していない者の割合が増えており、社会的フレイルの増加が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究はヒトを対象とした介入研究であり、対象者のほとんどが高齢者である。コロナ禍のもとで、集団で対面でのフォローアップ講座の開催は困難であり、研究期間を延期せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
対面でのフォローアップ講座を開催する予定である。採血や食事調査、栄養指導を含むため、コロナ対策を十分講じて、自治体担当部署と緊密な協力体制をとって進めていく。得られたデータから健康づくりへの取組の成果を検証する。
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Causes of Carryover |
計画していたフォローアップ講座がコロナ禍の影響で開催できなかったため、実施を延期した。そのため次年度への繰り越しが生じている。
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