2022 Fiscal Year Research-status Report
葉酸関連遺伝子多型別栄養介入による健康づくり支援の有効性:開始15年目の追跡調査
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19K11672
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
福島 真実 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (30286885)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 葉酸 / テーラーメイド栄養 / ホモシステイン / 遺伝子多型 / 健康づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
さかど葉酸プロジェクトにおける葉酸摂取推進活動の生活習慣病予防に対する有効性を検証するため、介入15年後を最長としたフォローアップ講座を実施した。 昨年度実施したアンケート調査では、2006年から2018年度講習会参加者756名のうち468人から有効回答が得られた。この回答者を対象として、講話、採血および食事調査、結果返却と食事教室から成る大規模フォローアップ講座(2022年8月から10月実施)への参加希望を募ったところ、118名から申し込みがあった。最終的な解析対象者は110名(男性19名、女性91名)、71.9±8.0歳であった。プロジェクト参加時(初回)の年齢は63.5±8.0歳であった。MTHFR C677T多型の頻度は、CC 31.8%、CT53.6%、TT14.6%で偏りはみられなかった。 血清葉酸濃度(中央値)は、初回11.7 ng/mLからフォロー14.7 ng/mL(p<0.001)と高値を示し有意差がみられた。食事からの葉酸摂取量(中央値)は、初回331μg/日、フォロー341μg/日で有意差は認められなかったが、葉酸強化食品等の摂取は増加しており、葉酸米の使用者は、少なくとも週1回以上の者を含めると49名であった。緑黄色野菜摂取量、野菜摂取量も初回とフォローで有意差はなかった。血清Hcy濃度は、初回7.7μmol/Lからフォロー9.8μmol/L(p,0.001)と高くなったが年齢および性差が大きく影響していることが示唆された。ヘモグロビンA1c、中性脂肪は有意差はなく、HDL-コレステロール値は女性で増加がみられた(p<0.001)。食塩摂取量は初回11.1g/日からフォロー10.2g/日(p<0.001)と減少した。 生活習慣病関連指標と食生活の影響、血清葉酸濃度およびHcy濃度との関連、多型の影響などについて、より詳細な検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高齢者を対象とした調査において、集団、対面でのフォローアップ講座の開講は、コロナ禍のもとでは難しく、当初の計画から実施が2年遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
フォローアップ講座の実施で得られた膨大なデータ(アンケート調査および血液生化学検査結果、食事調査等)の解析を進める。これまでの健康づくりの取り組みが葉酸栄養状態を改善することは明らかであるが、生活習慣病関連指標の変動を検討して、健康づくりへの取組の成果を検証する。
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Causes of Carryover |
フォローアップ講座の開催はできたが、検討項目の測定やデータ解析、結果報告のため次年度への繰り越しを行った。
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Research Products
(1 results)