2019 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病による動脈硬化における平滑筋細胞オートファジー機能の解析
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19K11675
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
三田 智也 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90532557)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オートファジー / 動脈硬化 / 平滑筋細胞 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、血管平滑筋細胞のオートファジー機能低下が糖尿病に特徴的とされる石灰化病変に与える影響を検討している。平滑筋特異的Atg7欠損マウスおよびコントロールマウスに、ストレプトゾシン4mg/kgを腹腔内に単回投与し、糖尿病を誘発した群(糖尿病平滑筋特異的Atg7欠損マウス、糖尿病コントロールマウス)、ストレプトゾシンの溶媒であるクエン酸バッファーを腹腔内に単回投与した群(非糖尿病平滑筋特異的Atg7欠損マウス、非糖尿病コントロールマウス)、の計4群のモデルマウスを作製する。これらのマウスに4週間高リン食を負荷し、さらに、4週目にビタミンDであるカルシトールを3日間連続皮下投与し、石灰化を誘導し、大動脈弁領域や大動脈の切片を作成し、コッサ染色で石灰化性病変を定量評価した。非糖尿病状態では、コントロールマウスに比較して、平滑筋特異的Atg7欠損マウスの大動脈弁周囲のコッサ染色陽性面積が増加していた。同様の実験をapoEマウスと掛け合わせた糖尿病平滑筋特異的Atg7欠損マウスapoEマウスなどでも検討したところ、糖尿病状態においても、コントロールマウスに比較して、平滑筋特異的ATG7欠損マウスの大動脈弁周囲のコッサ染色陽性面積が増加していた。また、非糖尿病状態に比較して糖尿病状態ではオートファジーの血管平滑筋の機能がしている場合の大動脈石灰化が亢進していることがわかった。本年度は、血管平滑筋特異的Atg7欠損およびコントロールマウスの単離培養した血管平滑筋細胞にリンおよび高血糖状態で増加するAGEを負荷し、石灰化への影響やその作用機序をアポトーシスや形質変換などに着目しながら解析を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ストレプトゾシンの用量設定などに時間を要した。予備実験のデータをもとに投与量を設定することができたので、研究をすすめていきたい。また、動物舎の移動により、一時実験を中断したことも影響していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はin vivoでメカニズム解析を中心に行う。 血管平滑筋特異的Atg7欠損およびコントロールマウスの単離培養した血管平滑筋細胞にリンおよび高血糖状態で増加する終末糖産物を負荷し、石灰化への影響やその作用機序をアポトーシスや形質変換などに着目しながら解析を行う。単離培養した血管平滑筋細胞にリンおよび終末糖産物の刺激にてオートファジーが誘導されるかどうかを検討し、同時にリンや終末糖産物を負荷した際の平滑筋細胞の石灰化を評価する。また、アポトーシスに関して, 関連するシグナルの評価をWestern blotting法やFlow Cytometry Analysisで解析する。 本年度は大学院生の持田のサポートが得られるので迅速に研究を進めていきたい。
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