2019 Fiscal Year Research-status Report
ABC輸送体遺伝子欠損動物を基盤に展開する「運動器の成長・老化メカニズムの解析」
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19K11678
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
中川 大 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (40397039)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ABC輸送体 / 骨 / 筋肉 / 脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
Abcb4遺伝子欠損マウスを対象にして、(1)ABC輸送体が骨の質と量に及ぼす影響の解析、(2)ABC輸送体が筋肉の質と量に及ぼす影響の解析、(3)ABC輸送体が脂肪の質と量に及ぼす影響の解析、の解析を行った。なお、遺伝子欠損マウスは、当該遺伝子ヘテロ欠損マウス同士を交配させて調達した。また、ウルソデオキシコール酸を含む特殊飼料を調製してマウスに摂取させ、12週齢の野生型マウスと遺伝子欠損マウスを対象にして解析を行った。 (1)市販の飼料を与えた際、Abcb4遺伝子欠損マウスにおける海綿骨体積と骨塩量は、性別を問わず野生型マウスと比して有意に多かったが、特殊飼料を与えた場合には認められなかった。一方、Abcb4遺伝子欠損マウスにおける大腿骨の長さは、性別を問わず野生型マウスと比して有意に長かった。また、ウルソデオキシコール酸含有特殊飼料は、野生型マウスの大腿骨長に影響を及ぼさなかった。 (2)性別を問わず野生型マウスとAbcb4遺伝子欠損マウスとの間で筋肉の量に差が認められなかった。 (3)性別を問わず、体重にたいするウルソデオキシコール酸含有特殊飼料の影響は認められなかった。市販の飼料を与えた際には性別を問わず野生型マウスとAbcb4遺伝子欠損マウスとの間で体重の増加が認められたが、特殊飼料を与えた場合には認められなかった。 (4)その他の結果 ウルソデオキシコール酸とAbcb4遺伝子は、脂肪重量に影響を及ぼさなかった。一方、Abcb4遺伝子欠損マウスにおける腎臓および肝臓の重量は、野生型マウスと比して有意に重かった。なお、Abcb4遺伝子欠損マウスにおける肝臓の重量は、ウルソデオキシコール酸含有特殊飼料によって有意に減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した通りに動物実験を実施することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
Abcc5遺伝子欠損マウスを対象にして、(1)ABC輸送体が骨の質と量に及ぼす影響の解析、(2)ABC輸送体が筋肉の質と量に及ぼす影響の解析、(3)ABC輸送体が脂肪の質と量に及ぼす影響の解析、の解析を行う。なお、遺伝子欠損マウスは、当該遺伝子ヘテロ欠損マウス同士を交配させて調達する。そして、12週齢の野生型マウスと遺伝子欠損マウスを対象にして解析を行う。 (1)マウスの後肢から脛骨, 大腿骨を採取し、骨構造と骨形態を観察・解析する。骨構造の解析は、研究協力者・萩原らの方法(Cytotechnology, 67, 357-65, 2015.)に従い、実験動物用X線CTを用いて行う。また、大腿骨の長さを計測する。 (2)マウスの後肢から前脛骨筋, 腓腹筋, ヒラメ筋を採取し、体重当たりの湿重量を算出する。 (3)マウスの体重および飼料の摂取量を4週齢の時点から1週間毎に測定する。また、解剖時には傍子宮脂肪, 腎周囲脂肪, 鼠径部皮下脂肪, 肩胛骨間脂肪, 後腹膜脂肪, 副睾丸周囲脂肪, 腸管膜脂肪を採取し、体重当たりの湿重量を算出する。
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Causes of Carryover |
値引きによって予定していた金額よりも安価で消耗品を購入することが出来たため。 なお、生じた次年度使用額については、消耗品の購入に充てる。
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Research Products
(4 results)