2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of salivary metabolomic biomarker for fatigue
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19K11683
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山野 恵美 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (40587812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 昌弘 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任教授 (30458963)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 疲労 / メタボローム / 唾液 / バイオマーカー / 予防医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、メタボローム解析に用いる検体として、従来の疾患バイオマーカー探索研究で主流であった血液ではなく、簡易に身体的負担も少なく反復して採取可能であり、採取後の処理も簡便な唾液に着目した。唾液成分はの一部は、血液由来であり、生体内の生理的な状態を反映すると考えられ、唾液を用いた疾患マーカー探索研究もおこなわれるようになってきた。日本では、高齢化社会を迎え健康寿命の概念から、未病状態に対策を講じて健康増進を促す予防医療の考え方が重要視されるようになってきた。未病状態における生体の機能変化に対するアラーム機構として、疲労が作動すると考えられ、生体状況を鋭敏に把握し、疾患発症を予測、予防的に対処するために指標となるバイオマーカーが必要となる。そこで、利便性の高い唾液を用いたメタボローム解析により疲労バイオマーカーを開発すれば、医療機関でなくとも検体を採取し、定期的な疲労度チェックなど健康増進に活用するシステム構築が可能になる。本研究において、当該マーカーを用いた個別化予防医療に貢献することをめざす。 今年度は、参加した学会において、メタボロームデータを扱う際に有用な統計手法や、疲労の病態生理に関する最新知見を得た。また、唾液を用いたメタボローム解析に関する文献を参考に、本試験デザインを検討した。 今後、社会状況を注視しつつ、研究実施に向けてより詳細な試験プロトコルを構築し、本試験を実施する環境整備を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に引き続き、新型コロナウィルスの影響を受け、ヒト試験を実施するにあたっては厳しい状況である。特に、本研究では被検者の唾液をサンプルとして取得するため、慎重な対応が必須であり、現段階で実施に向けて可能な作業を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の新型コロナウィルスに関わる社会の動向を注視しつつ、共同研究者と連携をとりながら、実施可能な試験プロトコルを構築する。そして、速やかにヒト臨床試験を実施すべく環境整備を進める。
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Causes of Carryover |
昨年度に引き続き、本年度も新型コロナウィルスの影響をうけ、所属機関における実施基準が厳しく、ヒトを対象に唾液を採取する研究デザインの遂行が困難であった。そのため、謝金を含めた試験実施に関わる研究費が次年度使用となった。今後も、共同研究者と協議しつつ、社会状況に注視しながら、研究を進めていく。
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