2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the onset mechanism of the lifestyle-related diseases by sleep disorders and inappropriate meal rhythms
Project/Area Number |
19K11684
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大石 勝隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (50338688)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 体内時計 / 時間栄養 / 生活習慣病 / 睡眠 / 食リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
心の健康寿命の延伸を目指し、睡眠障害や睡眠障害に起因する精神疾患の発症に至る未病段階を、日常生活の中で早期発見するための、非侵襲的未病マーカーの開発を目指した研究をスタートさせている。具体的には、我々が独自に開発したヒトの不眠症への外挿が可能なストレス性睡眠障害モデルマウスを用いて、非侵襲的に採取が可能な唾液に着目した研究を行った。1週間の睡眠障害を負荷したマウスから唾液を採取し、メタボローム解析を行うとともに、近年様々な疾患のバイオマーカーとしての可能性が指摘されているmiRNAの解析を行った。CE-FTMSによるメタボローム解析では、検出された288の代謝物の内、106の代謝物濃度が睡眠障害負荷によって有意に変動することが分かった。変動した代謝物の中には、脳内において様々な精神疾患との関連が報告されている物質も多く含まれており、唾液中での変動が脳内での挙動を反映している可能性が考えられた。一方、miRNA解析の結果からは、睡眠障害負荷によって多くのmiRNAの日内変動が影響を受ける一方で、睡眠障害の有無にかかわらず唾液中濃度が昼夜で変動するものいくつか見つかり、これらのmiRNAは、体内時刻の測定に有用である可能性が考えられた。また、睡眠障害によって唾液中で変動したmiRNAの中には、血中において心疾患のバイオマーカーと考えられているものが含まれており、実際に睡眠障害モデルマウスにおいては、心疾患マーカーである血中BNPの増加とともに心組織における繊維化も認められた(Stress, 2023)。 時間栄養学研究においては、これまで我々が見出してきた小麦ポリフェノール(アルキルレゾルシノール)の抗肥満作用に着目して、マウスを用いて摂取のタイミングとその効果の違いについての研究を行った。その結果、活動開始のタイミングでの摂取が、より効果的であることが判明した(Nutrition, 2022)。
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