2020 Fiscal Year Annual Research Report
血中リポ多糖(LPS)管理の非アルコール性脂肪性肝疾患への有用性の検討
Project/Area Number |
19K11686
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
玉木 陽穂 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (60455714)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 嗣人 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60397213) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | リポ多糖 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常者とNAFLD患者の血中LPS濃度の差異があるか、NAFLD患者において血中LPS濃度がNAFLDの重症度と相関するか評価することを目的とした症例対照研究を行った。2019年12月9日までに健常者31名及びNAFLD患者31名を登録し、血中リポ多糖(LPS)濃度を測定し比較検討した。また、ROC曲線を作成しカットオフ値を検討した。NAFLD患者では採血と同日にMRエラストグラフィーによる肝硬度、MRI-PDFFによる肝脂肪量の測定を行いLPS濃度との相関を検討した。肝硬度、肝脂肪量を元に肝線維化のステージをF0、F1-2、F3-4、肝脂肪化のグレードをG1、G2、G3に分類し健常者を含めて重症度別のLPS濃度について多重比較検討を行った。NAFLD患者の血漿LPS濃度は健常者と比較し有意に高値であり、ROC曲線による解析の結果、血漿LPS濃度はNAFLDの診断においてAUC=0.87と有用と考えられた。NAFLD患者において肝硬度と、肝脂肪量はLPSと相関しなかった。F0、F1-2では健常者と比較し有意に血漿中LPS濃度が上昇していた。G1、G3では健常者と比較し有意に血漿中LPS濃度が上昇していた。NAFLD患者では健常者と比較して血漿中LPS濃度が上昇しており、肝硬度と肝脂肪量と相関しないものの、線維化や脂肪化が軽度でも上昇していることから早期の症例の拾い上げに有用である可能性があると考えられた。LPS低下を指標として非アルコール性脂肪性肝疾患に対する有用性を検証するための臨床試験の前に、LPS測定が保存検体で可能か予備試験を行ったところ、保存検体においてLPS濃度の低下が認められたため保存検体では不適切であると考えられ、臨床試験においては採血当日にLPS測定を行う必要があることが明らかとなった。
|