2020 Fiscal Year Research-status Report
GADD34による老化関連疾患の制御メカニズムの解析
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19K11687
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| Research Institution | Saitama University |
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Principal Investigator |
西尾 尚美 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80513457)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 健一 修文大学, 医療科学部, 教授 (20151441)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | GADD34 / インスリンレセプターシグナル伝達系 / 脂質代謝 / 糖質代謝 / 炎症 / NASH |
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| Outline of Annual Research Achievements |
これまでGADD34遺伝子欠損マウスが加齢とともに脂肪肝発症やⅡ型糖尿病を発症し、若齢時には亢進しているインスリンシグナル伝達系が加齢と共に低下をすることがわかっている。加齢と共に脂肪肝やをⅡ型糖尿病を発症する原因はインスリンシグナル伝達系のみならず、脂質代謝や糖質からの脂質合成も関与が考えられる。
昨年度に引き続き本年度は、GADD34遺伝子欠損(GADD34 KO)による脂質代謝、糖質代謝の変化を検索するため、まずはC57BL/6マウスを用いて基本的な肝臓代謝について解析を行った。この結果については、研究分担者である磯部が中心に論文を作成し報告をした。
GADD34 KOマウスを用いた実験では、昨年度、NASH発症モデルとなる高脂質コリン欠乏食(CDAHFD)をマウスに摂取させたところ、GADD34 KOマウスではHFDでのWTに比べて早期脂肪肝は認められが、CDAHFDではWTとの差は認められなかった。これはコリン欠乏によって発症する脂肪肝にはGADD34は影響しなかったと考えられる。
そこで本年度は、、GADD34 KOマウスを使って２週間のHFD摂取を行い、同時にコリンを添加したところ、脂肪肝は抑制された。しかし、皮下脂肪が増大し、WTより肥満になったため、脂質増加抑制にGADD34が関与していることが証明された。さらに、in vitroでGADD34タンパク質がアミノ酸欠乏で誘導される(Sci Rep 2015)データをもとに、高脂質シスチン・フェニルアラニン欠乏食(CFDHFD)を作成し、GADD34 KOマウスに摂取させ、GADD34の発現が脂肪増加抑制に及ぼす影響の検討を行った。１回目の実験では２週間の摂取を行ったがこの餌による脂肪肝や肥満の発症はWT、KOともに認められなかった。引き続き長期摂取を行い、今後さらに検討していく予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響で実験用の試薬や器具の納品に遅れが生じたり、入手が困難な時期があったことと、移動制限による測定時期の遅延などによって実験全体に遅れが生じている。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度はGADD34 KOマウスを使って研究を進める予定である。in vivoの実験として、高脂質シスチン・フェニルアラニン欠乏食(CFDHFD)と高糖質食による肥満や脂肪肝発症に関する解析を行う。肝臓でInsulin/IGF1シグナル伝達系、mTORシグナル伝達系、G-CSRシグナル伝達系、TGF-βシグナル伝達系に加えて、糖質、脂質代謝について解析を行い、GADD34 KOマウスの脂肪肝発症のメカニズム解明を目指す。
さらに、様々な栄養素摂取状況マウス作成したMEF細胞やGADD34遺伝子移入したHEK293細胞を用いて、in vitroの実験として、免疫染色や免疫沈降など細胞レベルの解析を行い、最大の課題である、GADD34の機能部位を分子レベルで特定することを目指す。
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| Causes of Carryover |
昨年度より新型コロナウイルス感染症の影響で実験全体が遅れている。本年度は、KOマウスを使用した実験でin vivoにおける現象の確認を行い、主にマウスにかかる費用と特殊餌の費用、サンプル作成に予算を使用した。来年度は本年度行う予定であったin vivoの再現実験を行うとともに、さらに詳細なメカニズム解析を行うための抗体、試薬、測定キットなどに予算を使用する。
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[Journal Article] Hen-egg suppresses fatty liver induced by sugar, glucose or fructose.2021
Author(s)
Ken-ichi Isobe, Rena Suzuki, Kana Kato, Miki Kawai, Ami Kuzuya, Aoi Kanjya, Chiaki Suitou, Yui Nakano, Manae Nagasaki, Aki Hatanaka, Asuka Konno and Naomi Nishio
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Journal Title
Journal of Lipid Nutrition
Volume: 30
Pages: 1-17
Peer Reviewed / Open Access
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