2020 Fiscal Year Research-status Report
新規減塩法構築のための揮発性成分によるうま味認知脳基盤に関する研究
Project/Area Number |
19K11694
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
徳永 美希 金沢学院大学, 人間健康学部, 講師 (90610238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 政美 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 教授 (80832170)
平野 好幸 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 教授 (50386843)
堀内 理恵 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 准教授 (60390126)
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
高橋 徹 金沢学院大学, 人間健康学部, 教授 (80324292)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | うま味 / 揮発性成分 |
Outline of Annual Research Achievements |
うま味は、天然だしの成分中で揮発性成分が最も強いことを明らかにしてきた。また、揮発性成分によるうま味認知には、脳の背外側前頭前野が関わることを明らかにしてきた。同時に、天然だしに含まれるグルタミン酸やイノシン酸の量では濃度が低すぎるため、うま味を感じないことも示してきた。すなわち、グルタミン酸とイノシン酸ではうま味相乗効果が説明できない。本研究は、天然だしの揮発性成分とグルタミン酸とイノシン酸のうま味の相乗効果の機序を明らかにすることを目的としている。今年度は、天然だしの揮発性成分とグルタミン酸とイノシン酸とのうま味の相乗効果に関わる脳領域を明らかにすることを目的とした。 かつおだしまたは昆布だしの天然だしの揮発性成分とグルタミン酸またはイノシン酸などのうま味物質の水溶液、だしの揮発性成分とうま味物質の1:1混合溶液、蒸留水を試料とし、官能評価と脳の賦活化部位を解析した。試料は、食塩濃度を6 g/Lに調整した。官能評価では、味やにおいの感じ方などについて、LMS (Labeled Magnitude Scale)を用いて評価した。相乗効果の判断は既報に基づき、天然だし揮発性成分単体とうま味物質水溶液単体の合計の1/2(理論値)を1:1混合物(実測値)と比較し、実測値の信頼区間下限が理論値よりも高くなった場合に相乗効果があったと判断した。 官能評価の結果、うま味は、1:1混合物の実測値の信頼区間下限が理論値よりも高かったため、天然だし揮発性成分水溶液とうま味物質水溶液との相乗効果が認められた。脳の賦活化部位の測定結果より、背外側前頭前野、前頭極、上側頭回、下前頭回三角部において天然だし揮発性成分水溶液とうま味物質水溶液との相乗効果が認められた。だしの揮発性成分と、グルタミン酸やイノシン酸とのうま味の相乗効果には、脳の背外側前頭前野が関与することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
官能評価と脳賦活化部位の測定を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、実施できなかったため、遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題は、天然だしの揮発性成分とグルタミン酸とイノシン酸などとのうま味の相乗効果に関する機序を明らかにすることを目的としている。今後は、脳賦活化部位の測定により、天然だしの揮発性成分と既知のうま味物質とのうま味の相乗効果に関わる部位を明らかにしたいと考えている。また、ベイジアンネットワーク分析により、脳内の伝達経路を解析したいと考えている。
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Causes of Carryover |
脳賦活化部位の測定に使用する予定であったが、計画の変更が生じたため繰越金が生じた。
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