2020 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between polyunsaturated fatty acid intake and degree of intracellular aldehyde accumulation, genotoxicity and cytotoxicity.
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19K11704
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
清水 雅富 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (90389841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
台蔵 彩子 聖徳大学, 人間栄養学部, 助教 (10364978)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 必須脂肪酸 / アルデヒド / 飽和脂肪酸 / 多価不飽和脂肪酸 / 4-HNE / カルボニルストレス / ミード酸 / 新型コロナウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず昨年度に行う予定であった、実験動物としてC57BL/6J系マウスを使用し、給餌する脂肪酸組成を変え、生後3週齢から15週齢までの3ヶ月飼育(若年期影響)による、肝臓、血球膜中の各種脂肪酸量および肝臓中の4-ヒドロキシ-2-ノネナール(4-HNE)量の比較検討を行った。その結果、肝臓、血球膜中の脂肪酸測定においては、飽和脂肪酸摂取群および一価不飽和脂肪酸摂取群において必須脂肪酸欠乏時に産生されるn-9系多価不飽和脂肪酸であるミード酸が検出された。ミード酸は通常必須脂肪酸摂取がされている場合では、ほとんど体内では産生されず、必須脂肪酸欠乏時に合成される。このことから、給餌から必須脂肪酸を除去し3ヶ月間飼育することで、必須脂肪酸欠乏状態になることを確認することができた。また、各種脂肪酸量の測定では、多価不飽和脂肪酸摂取群において他の群に比べ、アラキドン酸などの多価不飽和脂肪酸量が高値を示した。次にn-6系多価不飽和脂肪酸の過酸化脂質分解物から生成される4-HNEをイムノブロッティング法を用いて測定をした。その結果、多価不飽和脂肪酸摂取群において他の群に比べ、4-HNE量が高値を示した。多価不飽和脂肪酸摂取群は他の群に比べ、給餌に含まれるn-6系多価不飽和脂肪酸の割合が一番多い。このことから、肝臓中の4-HNE量は食餌由来の脂肪酸に大きく影響される可能性が示唆された。 また、その他の実験として昨年度同様に実験動物を使用し、給餌する脂肪酸組成を変え、生後48週齢から60週齢までの3ヶ月飼育による中年期影響について、検討を行う予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、やむを得ず動物飼育を中止したため、研究を実施できていない状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度からの新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で、大学および研究施設等への立ち入りが制限されたため予定していた動物飼育が行えなかった。そのため、実験試料が作成できず2020年度予定していた研究が行えていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の3年目は、コロナ禍で行えていない2年目の研究計画である飽和脂肪酸摂取群、一価不飽和脂肪酸摂取群、多価不飽和脂肪酸摂取群の3群において生後8週齢から60週齢の3ヶ月飼育による中年期影響実験について、各種脂肪酸摂取による細胞内産生アルデヒド蓄積量および遺伝毒性、細胞毒性への影響について検討を行っていく予定である。 また、実験項目の血中酸化LDLの解析を4-HNE以外のアルデヒド分析に変更して行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で予定していた研究が行えなかったため、今年度使用予定だった消耗品及び試薬類の経費を次年度に繰り越す必要が生じた。また、研究計画の変更に伴う実験のコスト削減等により使用予定金額との差額が生じたため、次年度予算と合わせて、使用する計画である。
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