2022 Fiscal Year Annual Research Report
The proposal of Qunolinic acid induced chronic kidney disease (CKD) model and the search of bioactive compounds with preventive effect in CKD
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19K11706
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
小林 謙一 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 教授 (80434009)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | キノリン酸 / 慢性腎臓病 / 腎線維化 / ポリフェノール / コーヒー酸 / クロロゲン酸 / キナ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最大の目的は,「トリプトファン代謝産物であるキノリン酸が慢性腎臓病とくに腎線維化のトリガー分子であることを明らかにすること」ならびにこの病態メカニズムに立脚して「慢性腎臓病を予防もしくは改善しうる食品因子を探索すること」にあった。 本計画は,QPRTノックアウトマウスの腎線維化メカニズムにNMDA受容体が関与していることを明らかにしてきた。2022年度は,遅れていた培養細胞を用いた腎線維化抑制効果を有する食品成分の探索を行うことを目的に,コーヒーに含有するポリフェノールであるクロロゲン酸(ChA),その代謝産物であるコーヒー酸(CA)は,キナ酸(QA)に着目し,これらの成分が腎線維化に及ぼす影響について明らかにする目的で,ラット腎間質線維芽細胞(NRK49F)とヒト腎近位尿細管上皮細胞(HK-2)を用いた検討を行った。まず,TGF-β未添加NRK49Fを用いてChA,CA,QAがα-SMAやCol1a1,Tgf-β1,2,3遺伝子発現に及ぼす影響を検討した結果,ChA添加ではChA 400 μM添加でTgf-β3遺伝子発現の減少が認められた。CA添加ではCol1a1遺伝子発現の有意な減少が認められたうえ,CA 400 μM添加でTgf-β3遺伝子発現の減少が認められた。QA添加ではいずれの遺伝子発現にも影響は認められなかった。そして,TGF-β(5 ng/ml)を添加した線維化誘導NRK49Fを用いてChA,CA,QAがα-SMAとCol1a1遺伝子発現に及ぼす影響を検討した結果,ChA添加ではα-SMA,Col1a1遺伝子発現ともに有意な減少が認められた。CA添加ではCol1a1遺伝子発現のみ有意な減少が認められた。QA添加ではα-SMA,Col1a1遺伝子発現ともに有意な減少が認められた。一方,HK-2については, 全ての因子の遺伝子発現に影響は認められなかった。
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Research Products
(16 results)