2021 Fiscal Year Annual Research Report
健康寿命延伸物質(カロリー制限模倣物)の探索とその応用
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19K11707
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
中島 光業 松山大学, 薬学部, 教授 (70311404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 聡 松山大学, 薬学部, 准教授 (40550380)
天倉 吉章 松山大学, 薬学部, 教授 (50321857)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カロリー制限模倣物 / 健康寿命延伸物質 / SIRT1 / ドラッグリポジショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
健康寿命を延伸する物質が植物由来化合物の中に存在する可能性は、これまでにも示唆されてきている。健康寿命延伸物質候補の多くは、従来は試行錯誤によって発見された健康に良い影響を与える物質を種々の視点で解析し、長い時間をかけて評価されてきた。しかし、健康寿命延伸物質候補を効率よく見出す探索系の開発については、これまで十分に検討がなされてこなかった。本研究では、まず、マウス脾臓T細胞を用いて健康寿命延伸物質候補を植物由来化合物から効率よくスクリーニングする。免疫学分野の実験系をスクリーニングに活用するという独自性が、本研究の一番の特徴である。次に、その候補物質の抗炎症作用と代謝改善作用を株化培養細胞を用いて評価することにより期待値の高いものを絞り込み、さらに、モデル動物を用いてその物質の健康寿命延伸効果を確認し、その応用について考える。 2021年度は、これまでに樹立したマウス脾臓T細胞を用いたスクリーニング(Iura et al., 2019)により見いだされた健康寿命延伸物質のうち、植物由来化合物のCynandione Aと医薬品のIbudilastについての作用機序や動物個体における効果について解析を進めた。Cynandione Aについては、脂肪細胞に対するベージュ化促進作用が長寿命遺伝子SIRT-1の核への移行を介するものであることを明らかにし(Sawamoto et al., 2021)、また、Ibudilast については、マウス個体に対しても抗炎症作用を発揮し、代表的炎症性疾患である敗血症のモデルマウスの生存率を増加させる効果があること(中島光業他, 日本薬学会第142年会)をそれぞれ明らかにした。
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