2019 Fiscal Year Research-status Report
機能的MRIを用いた認知行動課題による過食抑制効果の神経メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K11715
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 優子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (00610023)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 摂食制御 / 意思決定 / 食物選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、摂食抑制機能の強化を目的とした認知行動課題(Food Go/NoGo課題)の作成に取り組んだ。 健常成人59名 (年齢35.0±7.6歳, 21-47歳)を対象に、食品に対するアンケート調査をおこなった。被験者に、一般的に販売されている食品の写真をみてもらい、その食品に対し、1.どのくらい好きか(嗜好性)、2.どのくらいよく食べるか(摂取頻度)、3.どのくらい健康にいいと思うか(健康度)、という3点について、4点法(1=全くそうではない、4=非常にそうである)によって回答してもらった。食品の写真として、高カロリー食品(菓子・スナック類)50品、低カロリー食品(野菜・果物)50品をもちいた。このアンケートはインターネットを介しておこなった。 有効な回答は54名(年齢34.6±7.7歳, 21-47歳、男性=20名、女性=34名)だった。高カロリー食品に対し、品目を個人内要因とし、嗜好性に対する反復測定分散分析をおこなった。この結果から、品目により有意に嗜好性がことなることがわかった (F(49, 2650)= 5.9, p<0.001)。また、同様の解析を摂取頻度においてもおこない、品目により、有意に摂取頻度がことなることがわかった(F(49, 2650)= 11.1, p<0.001)。くわえて、嗜好性と摂取頻度の関連を多重線形回帰により検証した。嗜好性が高い食品ほど摂取頻度が高いことがわかった(p<0.001)。これらの結果から、反復測定分散分析の事後解析により、嗜好性が高く、摂取頻度も高い食品として、嗜好性の高い食品25品目を選別した。この食品25品目をFood Go/NoGo課題のNoGo食品とすることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大防止のため、研究に必要な装置が使用できず、また、被験者の募集が中止しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、この認知課題をもちいて、摂食制御に神経回路の解明に取り組む。 この課題を定期的に行うグループ(認知行動課題群)とコントロール群を4週間追跡調査し、摂食内容、体重の変化を計測する。また、高カロリー食品に対する脳活動の変化、および摂食抑制に関わる脳機能領域を機能的MRIにより明らかにする。
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Causes of Carryover |
予定より、実験が進まず、謝金や実験施設使用料がかからなかったため、来年度に使用することとした。
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