2019 Fiscal Year Research-status Report
BONEプログラムが要介護者の骨密度と運動機能に及ぼす有効性
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19K11718
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒坂 志穂 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (80580901)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨 / 骨粗鬆症 / 歩行機能 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、独自に開発した骨粗しょう症予防運動(Building Osteo Neatly Exercise; BONE)プログラムが若年者及び高齢者の骨密度と運動機能に及ぼす効果の検討を行った。BONEプログラムは、主に運動習慣のない若年者や、身体機能が低下している高齢者でも実施ができる安全で簡単な運動プログラムである。椅子の上でも実施できるため、運動強度は低負荷であるが、運動機能への効果を見込めるよう、骨格構造に基づいて骨の強化を実施できるプログラムである。 若年者においては、週1回、4カ月間のBONEプログラムが歩行時の足底圧分布と骨密度に与える効果を測定した。高齢者においては、週2回、5か月間の歩行速度、足底圧分布、及び骨密度に及ぼす効果を測定した。 その結果、若年者、高齢者ともに有意な骨密度(超音波測定)の増加が得られた。若年者については、歩き方の指標である足底圧分布に有意な変化は見られなった。一方で高齢者は、踵とつま先を同時に接地し、同時に離地するという、不安定な歩き方が、プログラム後では、踵を先に接地し、つま先で離地する、という自然な歩行様式へと変化した。また、歩行速度についても30%増加した。 以上より、BONEプログラムは骨密度に有意な増加をもたらし、高齢者においては歩行機能を改善させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は、3年目までに結果をまとめ、発表等を行う予定であったが、研究が進み、1年で結果をまとめ、発表するに至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後については、BONEプログラムが骨密度や歩行機能のみならず、筋硬度や認知症の改善などに及ぼす効果について検討し、明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
雑費で265円の次年度使用額が生じてしまったが、これは筆記用具代として使用する。
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